中国Highlander社が海南島で商業用の海中データセンターの建設に合意

プロジェクトはトライアルから商業的な展開に移行

Highlanderは、中国海南島南部の沿岸都市である三亜に、商業用海中データセンターを建設する契約を締結しました。

China Daily紙の報道によるとこの56億元(8億8000万ドル)のプロジェクトは、世界初の商業用海中データセンターとなり、海南自由貿易港を強化することになるといいます。このプロジェクトは、冷却コストの削減と排出量の削減の手段として水中データセンターを支持する5カ年計画に合致しています。

この契約は、本土の珠海港と海南沖でのHighlanderのテストプロジェクトの成功に続くものです。

本格始動へ

海南省の王斌副知事は12月26日に三亜で開催された低炭素インフラに関する会合で、この合意を発表しました。同知事はこのプロジェクトは海南自由貿易港の発展にとって重要であり、海洋インフラを促進する計画の一部であると述べました。「海南はそのユニークな海洋資源を有効に活用し、国内有数の低炭素グリーン海洋インフラ産業クラスターを育成する」と中国日報は報じています。

Highlanderの最初のテストは、4つのラックを保持する水中圧力容器という1つのモジュールでした。2021年5月海南省は、海底に100のモジュールまたは「データキャビン」を連結し、海南の北西にある長江原子力発電所を電源とする、より大規模な施設を作る計画を発表しました。12月の発表では、長江から約200km離れた三亜がより明確な場所として示されている。

China Dailyによると北京Highlander Digital Technologyの副社長であるXu Tan氏は、このデータセンターのメリットとして、省電力、省土地、省水、低コストなどを挙げています。

「三亜北東部にある有名な5つの美しい湾の1つである海棠湾に設置されるこの実証プロジェクトは、水中データセンターを中核とする総合的な海洋ニューテクノロジー工業団地で拡大していく予定です」とXu氏は述べました。「三亜UDCが採用する冷却システムとデータ伝送システムの効率は、国際的な先進レベルに達していることが公式テストの結果で明らかになりました」。

長江デルタや珠江デルタなど、他の地域でも水中データセンターが提案されています。広東省は、海洋技術・環境5カ年計画に水中データセンターを盛り込んでいます。

水中データセンターの最初のテストは、マイクロソフト社のProject Natickで過去5年間実施されています。同社は昨年、Natickに関連する特許の一部を開放しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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