【特集記事】データセンター設計に関する6つの重要な考慮事項
【著者】 Mark Gaydos氏(Nlyte Software)
” デザイン戦略がビジネスに多大な影響を及ぼす”
規模に関係なく、クラウドサービスプロバイダー、あるいはデータをオンプレミス環境に保持しようとしている企業などすべての組織において、効率的なデータセンターを構築し維持するために、優れた設計をする事は重要なポイントです。
インフラへの投資コストは高額であるため、特にビジネスニーズがデータへの常時アクセスを要求している場合は、常にリソースから最大の出力を生成するように努めるべきです。データ設計戦略は大きな影響を与える可能性があり、その結果、コスト削減、拡張性の向上、および環境への影響の軽減につながる可能性があります。
このことを念頭に置いて、効率的なデータセンターを構築、運営、維持しようとしているすべての企業にとって重要な6つの考慮事項を述べます。
しっかりした電力・冷却戦略を立てる
データセンターの停止や制御不能に係るコストの大部分は、データセンターが使用する電力と冷却に直接関係しています。冷却が十分に行われていない場合、データセンターの冷却に必要な電力が、IT機器自体の稼働に使用される電力と同じか超えている可能性があります。
この問題に取り組むためには、 需要や拡張に応じて拡張できるモジュラー式の電力・冷却システム等を活用し、キャッピングや積極的に気流・冷却管理を行い、制御する必要があります。また、コストを抑えつつ、且つ潜在的な問題原因も事前に察知できるように、リアルタイムに傾向分析を通知できるように構成すべきです。
測定可能かつ定型化されたワークフロー プロセスを実装する
データセンターは、設備・機器の導入から更新、そしてEoLに至るまで 環境の健全性の維持を必要とする生きたエコシステムと考えることができます。設計上における重要なベストプラクティスの1つは、ワークフローと再現性のあるビジネスプロセスを使用して、常にリアルタイムにリソースの維持管理をすることです。またすべての作業に透明性があり、追跡可能であり、監査可能であるべきです。
すべてを自動化する
優れたデータセンター設計にする為に、現場作業者ができる限り多くの運用を自動化できるように計画する必要があります。これにより、インフラの導入が一か所のデータセンターのみならず複数のデータセンターにまたがり実行できるようになり、コストの削減や作業時間を削減できます。自動化は、継続的な検出や監査からワークフロー、そしてシステム間の統合まで、複数の段階で行われるべきです。
分析・レポートの優先度
データセンターを設計した瞬間から、その再設計は始まります。この変化に対応し、スペース、電力、冷却、およびネットワーク通信を常に利用可能な状態に維持するには、しっかりした分析レポートをベースに、スタッフや管理者が現在・将来のキャパシティニーズを把握する必要があります。このようにして、要求があった際にリソース不足だったという状況を回避しなければなりません。
統合を視野に
データセンター内の情報は、組織内の各部門やシステムで活用できます。したがって、データセンターやシステムを設計する際には、他のシステムと統合・連携できるかを常に留意しながら計画を立てる必要があります。たとえば、ビル管理システム( BMS )、ITシステム管理( ITSM )、およびVMwareやNutanixなどの仮想化管理ソリューションなどです。システムが他の部門と情報を同期させることができるようになると、データセンターのスタッフは自分の仕事をもっと効率的に遂行できるようになります。そして、ビジネス全体のスピードや精度が向上します。
DCIM – すべてを解決する1つの解決策
上記の要件すべてを考慮に入れると、スプレッドシートや手作業によるアプローチでは、現代のデータセンターで頻繁に発生する変更に追いつくことができないのは明らかです。正確なキャパシティ計画を行い、その設計を常に最適化し維持するためには、正確かつ一元化された記録を維持できるツールが必要です。上記の要件に対応できる包括的な最新のデータセンターインフラストラクチャ管理( DCIM )ソリューションを導入する必要があります。
システムは、データセンターの可視化や、しっかりしたレポート作成・分析を提供するだけでなく、データセンター内における変更の重要なデータにもなります。DCIMソリューションは、データセンターおよびハイブリッドコンピューティングインフラ環境などに広く広がりつつあり、急速に変化する複雑なテクノロジ環境に対してもはや欠かせない存在であると考えられています。
接続機器の普及とより広いデジタル変革とともに進化を続ける今日のビジネス環境において、 データセンターの停電やデータのダウンタイムは決して許されません。クラウドサービスプロバイダや企業に関わらず、DCIMの導入は、障害リスクを最小化するだけでなく、非常に効率的なデータセンターを維持することができるようになります。
Data Center Dynamics
【補足】
DCIMは単に設備に取り付けたセンサーから受信したデータをモニタリング(監視)するだけのツールではありません。複雑化が進む現代のデータセンターにおけるあらゆる情報(電源・温湿度などの計測データ、レイアウト・ラックや機器の配置、資産情報、配線情報、あるいは論理情報や仮想化環境の情報など…)を包括的・一元的に管理し、ビューワーや分析・レポートにより可視化し、定型的なワークフローを持ってオペレーターの作業ミスを防ぐ仕組みなど、これらを全て兼ね備えている必要があります。
データセンター設備の設計とDCIMの導入を同時に検討するには様々な事柄を検討する必要あります。DCIM導入に関するご相談はDC ASIAまでお気軽にどうぞ。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。