Naver、韓国第2データセンター「クラウドリング」を計画

韓国のオンライン大手Naverは、世宗(セジョン)市近くにクラウドデータセンターの構築を計画しています。この建築デザインは近隣にある先住民の遺跡の形が踏襲されています。

コリアタイムズによりますと、Naverは、住民からの強い反対を受け中止を余儀なくされた京畿道龍仁(ヨンイン)計画に代わり、2019年10月に4億2,000万ドル(5億ウォン)規模の施設の建設計画を発表したと報じています。ヨンインで計画されていたデータセンター「Gak(ガク)」と同様、新サイトは、可能な限り自然冷却を使用し、地元の歴史的建築物を踏襲する建築デザインが採用されています。

建築設計を手掛けるBehiveは、山岳地帯に浮かぶ25万平方メートルの施設の計画を発表しました。この施設は、局所的な空気循環に加え、 サーマルマス (蓄熱体)や氷貯蔵などにより空調を最小限に抑える設計となっています。 以前の発表では、施設は2022年初頭までの稼働開始が予定されていました。DCDは、Covid-19パンデミックに伴うスケジュールへの影響有無に関し、同社に現在確認を取っています。

雲のホバリングリング

Behiveは、建築は「クラウド(雲)」と起伏のある山岳の場所からヒントを得て、「渓谷に浮かぶ雲のような」デザインを生み出したと述べています。また、同じく山岳地帯に建てられた韓国の世界遺産「河回民俗村」にもインスパイアされているとしています。

傾斜した場所では50mを超える高低差が生じるため、この設計ではデータセンターホールを地表面に配置し、レイアウトをより「真っすぐに効率的」になるようにしているとBehiveは説明しています。このサイトには、コントロールルーム、カンファレンスセンター、学習センター、展示スペースもあり、「村の隠喩を取り、データで保護された学習コミュニティに発展する」ように、「谷を流れ降りる」ような設計がなされています。

外輪には多層のカーテンウォールがあります。外層には、プロジェクト全体の形状を反映するミシン目にパターン化されたスクリーンが設けられています。空気はその穴から入り、浄化され、サーバルームに入る前に統合ウォーターカーテンシステムにより冷却されます。 この「村」の建物は、伝統的な韓国の建物あるいは「地表から成長する岩」を模した着色コンクリートで造られています。

リングの3つの湾曲部分はそれぞれ個別のフェーズで構築され、オフィスや庭園はそれらが結合する場所に配置されます。

入り口では、「クラウドリング(雲の輪)」のような湖があり、防壁システムとともに環境にやさしい保護的な堀としての役割も果たす、とBehiveは述べています。サイトには、バッファゾーンが設けられ、災害からも保護されます。消火器も設置されています。

冷房時は、外壁から空気を取り込み、ウォータードレンチャーで細かいホコリや花粉を除去し、浄化しながら空気を冷却します。カーテンの水は、施設の屋上に溜まった雨水が再利用されます。追加の冷却は「サーマルマス」で行われます。

世宗の気候では、年間72%は十分な外気温です。この期間、22℃の吸気とサーバルームの室温24℃を確保するために、外気はサーバールームからの高温の排気と混合されます。

年間の残りの28%、7月と8月、および5月、6月、9月の暑い日には、氷貯蔵庫、エアサイド・エコノマイザー、チラーなど様々なソースから追​​加の冷却が行われます。データセンターの各構築フェーズでは、「サーマルマス冷却」のために地面に3か所の大きな(34x20x2m)コンクリート スラブ が設けられます。このスラブにより、1日あたり約3000 kWh、年間で245,700 kWhを節約できる、とBehiveはその計画の中で説明しています。これは、1日あたり125kW、年間で28kWに相当します。データセンターの屋上も、夏に渓谷に吹く風を利用して夜間に熱を放射し、1日あたり約348kWhを削減すると言います。

また、敷地には22,000平方メートルに渡りソーラーパネルが設置され、年間約500万kWhを生成します。これは約570kWの発電であり、HVACエネルギー消費の2.5%です(これは、約23MWの電力を使うHVACシステムを示唆しています)。

廃熱は、緻密なエネルギー再利用計画の一環として、まず敷地内の屋内温室に送られます。計画によると、熱い空気はサーバルームから36℃で排出され、ヒートポンプで加熱され、熱交換器を通過します。冬季には、それがサイト内の温室、暖房、温水、周辺道路の融雪に利用されます。「配電コストと熱損失を考慮して、近隣(200m以内)の利用者に36℃の温風と28℃の温水の提供を推奨している。Naverデータセンターからのこれらの2つの熱源は、直接利用あるいは市水の予熱に活用され、地域に利益をもたらす」と計画では述べられています。

データセンターは ホットアイルコンテインメント を採用しています。各サーバルームには14の架列が設けられ、それぞれ64ラックが配置され、各サーバルームは最大で644ラックを収容します。リングの各フェーズではそれぞれ8つのサーバルーム(約5,000ラック)が設けられます。3フェーズ全てが構築完了すると、 全体で15,456ラックになる予定です。 2系統の配電設備はサーバルームの両端に配置され、 空調ユニットは各サーバルーム間に設けられます。

Naverは、監視、巡回/誘導、輸送、保守、および「破壊」を行うロボットによるロボット保守を計画しています。よって廊下は、ロボットと人間がアクセスできるように設計されています。

美しい先例

江原道チュンチョン市にあるNaverの最初のデータセンターは、図書館に基づく設計がなされ、仏教の歴史的記録を含む約80,000の木版が保存されている海印寺のジャンギョンガクにちなんで「Gak(ガク)」と名付けられました。この施設DCDの2017年のコンテスト、”世界で最も美しいデータセンター”の候補の一つでしたが、クラウドリングは今年のリピートコンテストに間に合うようです。

同社はソウルに近い龍仁(ヨンイン)に2番目のデータセンターを構築したいと考えていましたが、コリアタイムズは、この計画は地元の反対を受けて2019年6月に中止され、その後9月に建設地の候補リストが作成され、10月の現地視察で世宗(セジョン)が選択されたと報じています。

セジョン市の李春熙(イ・チョンヒ)市長は昨年10月の声明の中で、次のように述べていました。「私は、入札期間中にサポートしてくれたセジョンの34,000の市民に感謝の意を表します。私たちは、ハイテク業界にインフラ基盤を提供するデータセンターの構築に向けて、Naverに対するあらゆるサポートを提供していきます」

新サイトの設計に関する詳細は、 DesignBoomWorld Architectureに掲載されています。

Data Center Dynamics

原文はこちら(18枚のギャラリー写真あり)

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