GoogleとFacebook,米中間海底ケーブル計画を放棄

2社はそれぞれフィリピンと台湾で終端するよう太平洋横断海底ケーブルシステムの縮小を申請

GoogleとFacebookは、米ロサンゼルスと中国・香港間を直接繋ぐケーブルシステムに関する計画を大幅に縮小したと報告しました。

2016年に発表されたPacific Light Cable Network(PLCN)は、香港と米国を直接接続する最初の海底ケーブルになるとされていました。しかし、米国の治安当局は、プロジェクトに関与するサードパーティ企業のPLDC(Pacific Light Data Communications)が所有権を持つ事についての懸念を表明しました。 GoogleとFacebookは先週、米国の規制当局であるFCCに、フィリピンと台湾で終端するようシステムの大幅な縮小を申請しました。 TechCrunchの報告によると、彼らの完全な野望は実現されないことを受け入れた、とされています。

損失の削減

この12.800km、120Tbpsの太平洋横断ケーブルシステムは、2018年に開通する予定でした。GoogleとFacebookの海底光ファイバ子会社が支援し、TESubComが建設を行う予定でした。プロジェクトの最大の支援者は、こだわりのポイントでした。TechCrunchのMark Harris氏は、PLDCはシステムのファイバペアを4つ所有しているとし、 北京からの直接的な影響を受け、PLDCは最近手を変えた、と言います。

元々、PLDCは香港の鉄鋼および資産の有力者のWei Junkang氏によって運営されていましたが、2017年に彼は株式のほとんどを北京に拠点を置くブロードバンドプロバイダのDr Peng Telecom&Media Group社に売却しました。Wall Street Journalの記事によると、そのことがワシントンでの懸念を引き起こし、米国政府は2019年にプロジェクトを阻止する取り組みを開始したとのことです。

「 Dr Peng社は国有あるいは中国に管理されているわけではありませんが、ファーウェイと密接に連携している。」とHarris氏は言います。 「Dr Pengは、北京警察の監視ネットワークなど、中国政府主導のプロジェクトにも取り組んできた。」ファーウェイは、トランプ政権がスパイ行為に関して非難をしている論争の中心の存在です。

– Google

スタンドオフ

ケーブル自体はほぼ敷設を終えていますが、データ通信は、国防総省、国土安全保障省、司法省を含むTeam Telecomと呼ばれる対応が遅いことで有名な国家安全保障ユニットの許可なしには通せません。Team Telecomは、「ネットワークセキュリティ契約」の下で米国に上陸する他のケーブルプロジェクトを承認しています。これは、指定の機器とセキュリティ検査を受けた人間による米国内でのネットワーク運用を条件として要求しています。

Facebookは競合プロジェクトである香港 -アメリカ(HKA)ケーブルを支持していますが、これはチャイナテレコム、チャイナユニコム、Facebook、Tata Communications、Telstraらも支援しており、Googleは特に不満を感じています。HKAは、6ペアの光ファイバで80Tbpsの伝送容量を持ち、今年(2020年)に稼働を開始する予定です。

現在、GoogleとFacebookの海底ケーブル子会社のGU HoldingsとEdge Cable Holdings USAはそれぞれ、FCCに申請して、より限定的なルートで光ファイバを終端させています。Googleは台湾に、Facebookはフィリピンで終端しています。

海底ケーブルの積み込み – shutterstock

この申請では、両社は自社の機器で光ファイバを独自に運用し、PLDCを関与させていない点を強調しています。

TechCrunchのHarris氏の指摘にあるように、データはまだ中国と米国の間を行き来しているが、それは米国の保安当局が承認しない別の会社、中国のモバイル当局が管理するNew Coss Pacific(NCP)ケーブルを経由するようです。

Data Center Dynamics

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