上海沖でHiCloudの洋上風力発電を利用した水中データセンターが稼働開始

容量24MW、臨港特別区に設置

中国・上海沖に設置された洋上風力発電を活用した水中データセンターが、本格的な商用運用を開始しました。

offshoreWINDの報道によると、このデータセンターの建設費は約2億2,600万ドルと推定されています。このプロジェクトは、中国政府、水中データセンターを専門とする民間エンジニアリング企業HiCloud Technology、さらにChina Telecom(中国電信)を含む国有系通信事業者との提携の一環として進められました。

このプロジェクトの容量は24MWで、上海市臨港特別区に位置しています。2025年6月に正式に着工し、10月に完成、今年2月に実施された初期試験運転の成功を受けて、先週から本格的な商用運用を開始しました。

サーバーは、海面下約35メートルに設置された耐圧モジュール内に密閉されており、陸上データセンターでは一般的なチラーHVACシステムの代替に周囲の海水をパッシブ冷却システムとして利用しています。中国メディアは、この施設のPUEが1.15未満であると報じています。

このデータセンターでは、電力の大部分が近隣の洋上風力発電所から供給されており、再生可能エネルギーによる発電を運用に直接組み込んでいます。

このプロジェクトは、HiCloudによる洋上風力発電を活用した大規模な水中データセンターを建設する計画の一環で、総発電容量は最大500MWに達する可能性があります。

HiCloudはHighlanderの一部門であり、Highlanderはこれまでに、中国・海南省沖で「世界初の海中データセンターモジュール」を開発した実績を有します。

同社は2021年、海南島沖への水中データセンターを設置し、初めて実験を行いました。その後、2023年には初の商用配備を実施しました。さらに2025年2月には、400台の高性能サーバーを搭載したデータセンターモジュールを海南のUDCクラスターに追加しています。

他の企業もデータセンターを水中に設置しようと試みており、中でもマイクロソフトが2015年に米国太平洋岸沖で世界初の海中データセンター「Project Natick」と呼ばれる世界初の海中データセンターを立ち上げました。その後、2018年には北海のオークニー諸島沖でも別の実証プロジェクトを実施しました。しかし昨年、DCDは同社が海中データセンター事業から撤退したことを確認しています。

より最近の事例としては、Panthalassaが先月、「Ocean-3」と呼ばれる浮体式データセンタープラットフォームを公開しました。これに先立ち、浮体式風力発電会社のAikidoは、モジュール型AI特化データセンターを統合した浮体式洋上風力プラットフォームを発表し、データセンター分野への参入を明らかにしています。

一方で、水中および洋上への展開には、海水による腐食、経年劣化による密閉圧力の低下、故障したハードウェア交換に伴う物流上の難しさなど、注目すべき技術的な課題が伴います。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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