米AIスタートアップが、モロッコで386MWの巨大データセンターを計画

米国の新興企業Iozera.aiが5億ドルを投じ、モロッコに386MWの巨大AIデータセンターを建設すると発表しています。

Iozera.aiによると、同社はAIデータのストレージ、管理、コンサルティングサービスを提供しており、 「先駆的な386MWのデータセンターとAIハブ」をモロッコ北部のテトゥアンに開発するため、今週モロッコ政府と覚書に調印する予定だとのことです。

同社はモロッコ政府との戦略的パートナーシップについて、「高度なAIコンピューティングリソースへのアクセスを民主化し、米国、モロッコ、そして世界中の研究者、新興企業、企業にとってGPUベースの処理の可用性を高めることを目的としている」と説明しています。

データセンターの建設は2024年第4四半期に開始し、2026年第2四半期には運用を開始することを目指しているとのことです。

このプロジェクトは「Eureka Park」として知られ、データセンターに加え、Ryse Researchや、新興企業のためのインキュベーター、教育センターが設置されます。また、「AI Expo」も併設され、「スタートアップや大企業による最新のグローバルなAIの進歩 」が展示される予定です。

同キャンパスに関する技術的な詳細情報はほとんど公表されていません。しかし、同プロジェクトで計画中の386MWという容量は、現在世界中で建設が進められているデータセンターの中でも最大規模となります。

Iozera.aiは、テキサス州ヒューストンに本社を置く企業ですが、2023年12月に法人化されたばかりで、データセンター建設に関する公的な実績はありません。今回のプロジェクトについても、資金調達方法の詳細は公表していません。DCDは同社に詳細を問い合わせています。

MoU調印式には、台湾の電子機器メーカー、Pegatronの代表団が出席予定であり、 CTOであるJames Shueも参加します。このことは、Pegatronがプロジェクトに関与している可能性を示唆します。

同社のSVR部門はサーバーを製造しており、3月には大規模な言語モデルを訓練したいユーザー向けにAIサーバーを開発していることを発表しています。

データセンターの電力は、施設が立つ「Eureka Park」の近郊にある、2つの再生可能エネルギープラントから供給されるようです。それぞれ、ワルザザート太陽熱発電所、クディア・アル・バイダ風力発電所と呼ばれています。

モロッコのデータセンター市場は現在、世界的に見れば小さく、ResearchandMarketsが3月に発表したレポートによると、同国には現在21のデータセンターが存在し、今後3年間で5,100万ドル規模に成長する見込みだとのことです。

最近の動きとしては、国内事業者のN+One Datacentersがカサブランカに施設を建設中であることを明らかにしたほか、3月にはオラクルがN+Oneのインフラ内でホストされるモロッコのクラウドリージョンを立ち上げると発表しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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