Edisunがマドリードの941MW太陽光発電所からAIデータセンターへの電力供給

ソーラープロジェクトに投資するデータセンターを募集

欧州の太陽光発電事業者であるEdisun Powerは、マドリードにある941MWのFuencarral太陽光発電所から、同地域のデータセンターに電力を供給する計画です。

Edisunは、今回の決定の動機として、AIによる電力需要の増加と、データセンターの低排出運用に関する欧州の規制がますます厳しくなっていることを挙げています。

Fuencarral発電所は現在開発中で、3つの独立型プロジェクトで構成されています。Pradillos(390MW)、Fuencarral(291MW)、Loeches(260MW)です。

同社によるとこれらの太陽光発電所は、互いのプロジェクト間に十分な用地を確保するため、9つの別々の敷地に分散しているとのことです。

Loechesプロジェクトは、9月末に最後の主要な承認プロセスを完了し、行政建設認可を受けました。PradillosとFuencarraの建設許可は最終決定間近です。

Edisunは、Fuencarral工場へ投資するインフラファンド、民間投資会社、データセンターのオーナーやオペレーターを誘致するプロセスを開始しています。

Edisunによると、プロジェクトの建設資金を調達するため、銀行のコンソーシアムと話し合いを進めている最中とのことです。Edisunが資金を確保できなかった場合、元の所有者であるSmartenergyは、発電所を買い戻す契約を結んでいます。

同社はまた、データセンターへのエネルギー供給を支援するため、Smartenergyから特別目的会社を追加取得しようとしています。これには、追加エネルギー購入のためのグリッド接続の確保も含まれます。その見返りとして、Edisunは159MWのイタリアのプロジェクト・ポートフォリオをSmartenergyに売却するつもりです。

Edisunは1997年に設立され、2008年9月よりスイス証券取引所に上場しています。スイス、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、ポルトガルに36の太陽光発電所を所有しており、開発中のプロジェクトは1.2GWに及びます。

マドリードのデータセンター市場はスペイン最大級の規模を誇り、2023年には収容能力の60%以上を占めました。現在、マドリードにはEquinixやGlobal Switchなど16のプロバイダーが運営する18のデータセンターがあります。

同市では2024年にいくつかの注目すべき発表がありました。10月には、アラブ首長国連邦のデータセンター企業Edgnexが、40MWのデータセンターを開発するためにマドリードに土地を取得しました。Vicalvaro地域に位置し、236,805平方フィート(22,000平方メートル)の施設は、2026年に稼動する予定です。

5月には、米国のデータセンター企業Primeは、マドリードに40MWのデータセンターを建設する計画を発表しました。この施設は26,000平方メートル(280,000平方フィート)に及び、2025年第1四半期の稼働開始を予定しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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