ソフトバンク、NVIDIA株を全て売却し約58億ドルを獲得

OpenAIへの投資資金に充当

ソフトバンクは、同社のNVIDIA株3,210万株すべてを先月売却し、58億3,000万ドル(約9,000億円)を得たことを決算報告で明らかにしました。

また、同社はT-Mobile株の一部も91億7,000万ドルで売却したことを併せて発表しました。

この開示は、ソフトバンクが2025年度第2四半期(Q2)決算を発表した同日に行われました。同四半期の純利益は2.5兆円(約166億ドル)と、前年同期比で2倍以上に増加しました。

この数字は主に、ソフトバンクのビジョン・ファンド部門によるOpenAIおよびPayPayへの投資によって支えられたものであり、特にOpenAIへの投資からは同四半期中に2兆1,600億円(約140億ドル)の投資利益を実現しました。

ソフトバンクの後藤芳光 最高財務責任者(CFO)は決算説明会で次のように述べました。

「このような結果を出せたのは、昨年9月に初めてOpenAIへ投資したことが大きな要因です。」

さらに同氏は、2025年12月末までにソフトバンクのOpenAIへの累計投資額が約347億ドルに達する見込みであることを明らかにしました。

NVIDIA株の売却理由を問われた後藤氏は、詳細なコメントを控えたものの、「投資会社として、定期的に投資や資産売却を検討するのは当然のこと」と説明しました。

ただし同氏は、売却の背景にはOpenAIへのさらなる大型投資があることを示唆し、次のように述べています。

「今年はOpenAIへの投資額が非常に大きく、300億ドルを超える投資が必要です。そのため、既存ポートフォリオを売却して資金を確保する必要がありました。10月に特定の会合があったわけでもなく、NVIDIA自体とは関係ありません」

なお、ソフトバンクがNVIDIA株を売却するのは今回が初めてではありません。2019年にはビジョン・ファンドがNVIDIA株4.9%分を33億ドルで売却し、26億ドルの利益を得ていました。
もしその持ち株を維持していた場合、現在の評価額は約2,130億ドルに達していたとされ、当時、ソフトバンクの孫正義会長は、NVIDIAを「逃した魚」と表現していました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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