Synergy Research:Amazonのシェア低下に伴い、ネオクラウドがCIS市場で徐々にシェアを拡大

全体的には着実な成長である一方、Amazonは市場シェアを2%失う

Amazonのシェアが減少する一方、新興クラウド企業がクラウドインフラサービス支出における市場シェアを徐々に拡大していることが、Synergy Research Groupのデータにより明らかになりました。

Synergyの主要指標によると、Amazon、マイクロソフト、Googleの合計市場シェアは、2025年第3四半期に前年同期の62%から63%へと着実な成長を維持しているものの、Amazonの市場シェアは2024年第3四半期の31%から2025年第3四半期には29%へと2%低下したとのことです。

Synergy Research GroupのJohn Dinsdale主任アナリストは、マイクロソフト(20%)とGoogle(13%)が差を縮めるなか、Amazonは「漸進的な浸食」に直面していると述べました。

オラクルや、Crusoe、Nebius、Lambda、CoreWeaveといった新興クラウド事業者は、市場全体でのシェアを徐々に拡大しているものの、市場リーダーとの間には依然として大きな差があります。これは、短期的にはAmazon、マイクロソフト、Googleの市場シェアに大きな影響を与える可能性が低いことを意味します。

CoreWeaveを除く新興クラウド企業の市場シェアは、依然として1%未満です。Synergyは「CoreWeaveはAIとGPUサービスにより、クラウドプロバイダー上位10社入り目前」と述べています。

Synergyはまた、Alibabaとセールスフォースはクラウドインフラサービス収益を増加させ続けている一方で、市場全体のペースに追いつけず、結果として全体的な市場シェアを失っていると分析しました。

John Dinsdaleアナリストは、次のようにコメントしています。「この市場の規模が非常に大きいため、四半期ごとのシェア変動は最小限に留まる傾向があります。そのため、過去数年間のポジション変化を検証する方が示唆に富みます。Amazonのシェアは過去4四半期で平均30%弱となり、2021年の32%強から低下しています。」

「この市場における最大手3社の下では、多様な中小プレイヤーがシェア獲得を競っていますが、現実には3位のGoogleが4位のAlibabaの約4倍の規模を維持しており、市場リーダーとその他プレイヤー間の格差拡大を浮き彫りにしています。」

報告書によると、第3四半期の世界クラウドインフラサービス収益は1069億ドル、過去12ヶ月累計収益は3900億ドルに達したとのことです。

この大半を占めるパブリックIaaS(Infrastructure-as-a-Service)およびPaaS(Platform-as-a-Service)収益は、第3四半期に30%増加しました。この成長は全地域で確認され、特にインド、オーストラリア、インドネシア、アイルランド、メキシコ、南アフリカで顕著な伸びを示しました。

最大の市場である米国は第3四半期に28%成長し、APAC地域全体を上回る規模を維持しています。

Synergyによれば、クラウドインフラサービスへの企業支出は過去3年間で最も速いペースで増加しているとのことです。第3四半期は、前年比成長が8四半期連続で増加し、過去3年間で最高を記録しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。