量子コンピューティング企業Quantum Art、シリーズAで1億ドルを調達

イオントラップシステムで量子優位性を目指す

量子コンピューティング企業のQuantum Artは、新たな資金調達ラウンドで1億ドルを確保しました。

同社は、イオントラップ量子ビットを基盤としたフルスタック量子コンピュータの開発を手がけており、今週、1億ドル規模のシリーズA資金調達を完了したと発表しました。

このラウンドはBedford Ridge Capitalが主導し、Battery Ventures、Destra Investments、Lumir Growth Partners、Disruptive AI、Harel Insurance、Karen W. Davidson、GTV、Yasmin Lukatz、Corner Capital、Qbeat Venturesが共同で参加しました。

また、前回のシードラウンドを主導したAmiti Venturesをはじめ、StageOne Ventures、Vertex Ventures、Entrée Capital、ワイツマン科学研究所といった既存投資家および関係者も今回のラウンドに参加しています。

Quantum ArtのCEO兼共同創業者であるTal David博士は、次のように述べました。「この規模の投資支援は、当社の技術および製品に対する強い信頼を示すものです。これは、当社の多量子ビットゲート・アーキテクチャの推進力と、数百量子ビットから最終的には数千、さらには数百万量子ビットへと拡張可能なシステムを実現する道筋を後押しするものです。」

Quantum Artは、この投資により、システムの商用化とスケールアップ、そして量子優位性の実現に向けた取り組みが加速するとしています。また、この資金調達は、1,000量子ビットのマルチコアシステムである「Perspective」の開発を加速させるものです。

今回の資金調達により、Quantum Artの累計調達額は1億2,400万ドルとなりました。同社は2022年に、ワイツマン科学研究所からのスピンオフとしてイスラエルで設立されており、その際にシードラウンドを実施しています。

Quantum ArtのCTO兼共同創業者であるAmit Ben-Kish博士は、次のように述べています。「量子コンピューティングは、卓越した人材が結集したときにのみ前進します。当社のチームは、野心的なアイデアを驚くべきスピードで最先端のシステムへと具現化してきました。今回の資金調達により、このチームをさらに強化し、商用規模の量子マシン実現への道のりを加速させる戦略的パートナーシップを一層深めていくことが可能になります。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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