米連邦準備制度理事会がAWSデータセンターへの調査を実施
「銀行業務のクラウドへの移行が進む中、規制当局は神経質になっている」
ウォールストリートジャーナル紙によると、連邦準備制度理事会(FRB)はバージニア州のAWSデータセンターの正式な調査を行った。
これはAWSに関する特定の事件や懸念によるものではなく、顧客に多くの金融セクターが含まれている中で、クラウドコンピューティング市場における同社の優位性の高まりによる調査目的です。
またこの調査は、先週発生した米金融大手のCapital Oneへのハッキング事件とも関係ありません。この事件では、以前AWSに勤務していた容疑者が1億人を超えるCapital Oneカードの利用顧客の個人情報を盗んだとして起訴されました。Capital OneはAWSの顧客ですが、AWSシステムの脆弱性を介してデータが流出したのではないと言っています。
支配力の問題
連邦準備制度理事会のリッチモンド支社は4月にデータセンターを訪問していた、とWSJは報告しています。その際、彼らはAmazonのラップトップから特定の書類を検閲することは許可されましたが、施設から何かを持ち出すことはできませんでした。
検査官はAmazonの レジリエンス 力とバックアップシステムに着目していました。FRBはAWSに目をつけており、今回の初訪問を皮切りに、今後調査は継続していくであろうと予想されます。
打ち合わせの後、エージェントはAmazonからより多くの書類と情報を求めたが、報道によると同社は慎重であり、データがどのように保管され使用されるのか?、誰がどのくらいの期間アクセスできるのか?などについての情報を求めていたという。
Goldman Sachs、Nasdaq、決済会社のStripeをはじめとする多数の銀行や金融機関、そしてもちろんCapital OneなどがAWSを利用しています。ライバルのAzureは、JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、TDバンクなどの企業にサービスを提供しています。
多くの大企業と同様、金融機関も複数のクラウドプロバイダーや自社のデータセンターを介した マルチクラウド や ハイブリッドクラウド アーキテクチャを展開しています。今年の初め、Wells Fargoのデータセンターが停止し、顧客はATMやオンラインおよびモバイルの銀行口座にアクセスできなくなりました。
FRBがクラウド企業をどの程度監視しているかは明らかではありません。昨年の米国財務報告によると、銀行規制は「クラウドやその他の革新的なテクノロジに対応するための十分な近代化がなされていなかった」といいます。
しかし、米国の規制当局が技術大手への調査を急増させたため、AWSへの注目は高まっています。連邦取引委員会(FTC: Federal Trade Commission) がFacebookを調査している一方、米法務省はAlphabetを調査しています。 二つとも独占禁止法違反の可能性があるためです。FTCはAmazonを精査していると考えられています。
次期大統領候補のエリザベス・ウォーレン上院議員はより過激な行動を求めています。ミディアムポストで、彼女はこう述べています。「私の政権では、より多くの競争を促進するためにハイテク市場に大きな構造改革を行います、Amazon、Facebook、Googleを解体する事を含め。」
Data Center Dynamics
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