アマゾン、マイクロソフト、グーグルがクラウド市場を支配、好調な業績を報告
しかし、その他クラウドも依然として成長を続けている
ハイパースケーラー大手3社のクラウドサービスは急成長を続けており、3社とも前四半期の好調な業績を計上しました。
しかし、その他のクラウドプロバイダーの成長率は27%にとどまったと、シナジー・リサーチ・グループの調査レポートでは報告しています。
世界最大のクラウドプロバイダーであるAmazon Web Services(AWS)の収益は、前年比39%増の161億ドルとなりました。アマゾン全体の業績が予想を下回ったにもかかわらず、この結果はアナリストの予想を上回りました。
なお、AWSの営業利益は38%増の48億8,000万ドルとなりました。
アマゾンの最高財務責任者(CFO)であるブライアン・オルサフスキーは、決算説明会で「パンデミックをきっかけに、多くの顧客がクラウドへの移行を加速させていることが分かった」と述べています。
しかし、旅行業界など一部の業界では、現在もまだ継続中のCovid-19パンデミックの影響により、依然として支出の減少が続いています。
競合のマイクロソフトも好調な業績を上げました。マイクロソフトのインテリジェントクラウド部門(Azure、エンタープライズサービス、GitHub、SQL Server、System Center、Visual Studio、Windows Serverを含む)収益は169億6,000万ドルで、前年同期比31%増となりました。
具体的には、Azureおよびその他のクラウドサービスの収益が50%増加しました。収益の具体的な数字は公表されていません。
クラウド部門およびその他事業部門の成功もあり、マイクロソフトの株価は2%上昇し、世界で最も価値のある公開企業となりました。
3位のグーグルは、クラウド部門の収益が45%増の49億9,000万ドルに達した一方、営業損失は前年の12億1,000万ドルから6億4,400万ドルに減少したとの発表がありました。
グーグルのSundar Pichai CEOは次のようにコメントしています。「Google Cloudは、他のどのトップクラウドプロバイダーよりも、世界中の企業、デジタルネイティブ、中小企業のニーズを満たす独自の機能を備えている」
「お客様は、当社のクラウド、エッジ、データセンターなど、場所を問わずにワークロードを実行できるオープンかつスケーラブルなインフラに価値を見出している」
シナジー・リサーチ・グループによると、クラウドインフラストラクチャサービス市場において、AWSは現在33%のシェアを占めていると報告してます。次いでAzureが20%、Google Cloudが10%となっています。
この3社はいずれもシェアを拡大していますが、この分野全体が成長していることから、他のプロバイダーにもまだ余地があるとシナジー社は見ています。
次の大手10社のクラウドプロバイダーは、前年同期比で28%の増収を達成しており、中・小規模のクラウドプロバイダー群は25%の増収となっています。
シナジー社の推計によると、四半期のクラウドインフラストラクチャサービス(IaaS、PaaS、ホステッドプライベートクラウドサービスを含む)の収益は454億ドルで、12ヶ月の収益は1640億ドルに達すると見ています。
シナジー・リサーチ・グループのチーフアナリストであるジョン・ディンズデール氏は次のように述べています。「アマゾン、マイクロソフト、グーグルの3社は、その規模、世界的に拡大し続ける存在感、目覚ましい収益成長率を考えると、クラウド事業で最も注目を集めていることは理解できる」
「しかし、そのために、他のクラウド事業者が当四半期に170億ドル(前年同期比27%増)の収益を上げているという事実を見落としがちです」
「どのような基準で見ても、170億ドルの市場がこのようなペースで成長していることは、多くのサービスプロバイダーやそのサプライヤーにとって魅力的な話です。しかし、大手3社が背後に潜んでいることは明らかであり、彼らと真っ向から競争することはできません。しかし、適切なアプリケーションと顧客層をターゲットにすることができれば、クラウドは企業に広範でエキサイティングな成長機会を提供することができるだろう」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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