中国HiCloud社、商用水中データセンター・モジュールの順調な稼働を報告
業界初の水中データセンターは順調に稼動していると中国のニュースは報じています。
人民日報の報道によると、11月にローンチされ、12月31日に完成した1,300トン(1,433トン)のモジュールは、その後も安定した稼働を維持していると伝えています。
このデータセンター・モジュールは、2020年にさかのぼる試験でデータセンターを開発したHighlander社の一部門であるHiCloudによって、海南省霊水里県沖の海底35mに設置されました。
「海底データセンターの最初のモジュールは2022年12月に稼働を開始しました。そして現在も安定して稼動しています」とプロジェクトのゼネラル・マネージャーであるPu Ding氏は話しています。「同容量のサーバーと比較して、モジュール内のサーバーは、強力なコンピューティング能力、低エネルギー消費、高セキュリティ、低遅延という利点を備え、全体として40~60%のエネルギー効率の向上を達成しています」
Pu氏は人民日報の取材に対し、この施設は冷却に海水を使用しており、ほとんどの陸上施設よりも高い演算能力密度を有していると述べています。密閉されたモジュールには埃や酸素が存在しないため、内部の電子機器の故障も抑えられます。
なお、このモジュールの寿命は25年と推定されています。
報告書では、これまでに何台のモジュールが設置されたかは明らかにされていませんが、完成時には100台のモジュールが設置される予定であるとされています。Pu氏は、これで年間1億2200万kWh(およそ14MW)のエネルギーを節約できると主張しています。また、68,000平方メートルの土地と年間105,000トンの淡水の節約にもなると述べています。
「海南自由貿易港(FTP)の建設は、海上データセンターに対する大きな需要を生み出しました。海底データセンターはデジタル経済の発展を支え、FTPにおける安全かつ秩序ある国境を越えたデータフローを促進します」と、深圳HiCloud Data Center Technology社のエグゼクティブ・ディレクター、Su Yang氏は述べています。
Highlander/HiCloudが2021年に水中テストを実施して以来、多くの中国各地域がこのアイデアを5カ年計画に盛り込み、そして2022年初めにCOOEC社が建設する商業施設が発表されました。
HiCloudによると、チャイナテレコムや香港のAIソフトウェア/監視会社SenseTimeなどの企業から受注を獲得しているといいます。
マイクロソフトは、2015年に米国太平洋岸沖のProject NatickデータセンターからAzureクラウドの負荷を提供する初の水中データセンターを設置し、その後スコットランドのオークニー諸島沖で2年におよぶテストを実施しました。
HiCloudと同様、マイクロソフトも、水中データセンターはITハードウェアを酸素や偶発的な損傷から保護することで信頼性を高めると述べています。
しかし、マイクロソフトはデジタルリーフに関する特許を取得したものの、水中での取り組みはそれ以上進展させていません。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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