AMD搭載のEl Capitan、2エクサフロップスの壁を破る
今後のEl Capitan スーパーコンピュータ は、AMD CPUとGPUを搭載し、2エクサフロップス以上のピークパフォーマンスを誇る性能となるようです。
2023年初頭に提供される予定のこのシステムは、ローレンス・リバモア国立研究所 (LLNL) に設置され、米国国家核安全保障局(NNSA)が使用する予定です。もし仮に今日運用されていれば、次のTop200のスーパーコンピュータを合わせた場合よりも強力であるようです。
力を感じる
El Capitanは、複数のプロセッサタイプをサポート可能なCrayのShastaスーパーコンピューティングアーキテクチャを使用する設計がなされています。
昨年、このスーパーコンピュータが発表された際、米国エネルギー省(DOE)は、使用するプロセッサを開示しないという珍しい措置を講じました。遅延バインディング決定契約を使用して、同省は、プロセッサテクノロジの選定のために可能な限り長く待ち、最高のチップを最高の価格で入手できるよう意図的な判断を行いました。
「そして、我々はそのプロセスを通じてシステムの大幅な改善を実現することができた。そして、AMDからCPUとGPUの両方のプロセッサを調達できることが出来、その発表ができたことを非常に嬉しく思う。」とローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)のCTOを務めるBronis de Supinski氏は、メディアブリーフィングの席でDCDに語りました。
「今回の発表で最も重要なことの1つは、システムのパフォーマンスが2エクサフロップスを超えるということです。これは倍精度となります。以前の発表では、1.5エクサフロップスを超えると発表しました。システムの期待していたパフォーマンスの大幅な向上を表します。」
AMDは、El Capitanの「 Genoa 」CPU、さらに今後のRadeon Instinct GPUに関する詳細情報の提供については拒否しています。しかし、ブリーフィングの席で、AMDのdata center and embedded systems部門のSVP兼GMのForrest Norrod氏は、3月5日(木)のアナリスト向け発表会でより多くの情報が明らかにされる可能性があることを揶揄していました。
Crayの親会社であるHPEのSVP兼CTOのSteve Scott氏は、その水冷システムの出力範囲は30MW〜40MWであり、最終的な値は「30MW近辺」と予想している、と言っています。
6億ドル規模のEl Capitanは、核兵器の備蓄維持や、将来の兵器の仮想的なテストを行うために使用されます。
「よって、 このシステムをNNSAの使命のために使う、という点を理解することが重要だ。特にこのシステムは、シミュレーションにより、国の核備蓄が安全、セキュア、かつ信頼できることを証明するAdvanced Simulation and Computing Programの一部でもある。」とLLNLの de Supinski氏は言います。
「(基本的には)我々は備蓄に問題が発生しないことを保証している。できれば、それを使わないに越したことはない、あるいは実際に使う事態が起きることを神は禁じてはいるものの、万が一の使用時には意図したとおりに機能するだろう。」
El Capitanは、2021年にローンチが予定されている他の2つのDOE( 米エネルギー省)向けエクサスケールシステム、アルゴンヌ国立研究所のAuroraとオークリッジ国立研究所のFrontierに加わります。前者はIntelチップを搭載し、後者はAMDを搭載し、Crayを介してHPEから提供されます。
Data Center Dynamics
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