生物にヒントを得たチップ内冷却企業 Corintis が Applied Digital 主導のラウンドで2,500万ドルを調達

AI が設計した冷却経路は蝶の羽のような形状に

AI を用いて設計を行うチップ内マイクロ流体冷却スタートアップのCorintisが2,500万ドルを調達しました。

Corintis によると、この投資ラウンドは Applied Digital が主導で行われ、同社の総調達額は5,800万ドルに達したといいます。なお、Applied Digital は元々仮想通貨マイニング企業として事業をスタートしましたが、その後 Macquarie Asset Management の支援を受けながら AIHPC ワークロードへ事業を転換しています。

従来のコールドプレート技術とは異なり、Corintis はチップに微細加工された小さなチャネルに冷却剤を流し込むシステムを開発しています。AI が設計する冷却経路は生物由来のアイデアを取り入れており、蝶の羽の静脈に少し似ているといいます。

マイクロソフトとの9月の研究パートナーシップにおいて、Corintis はコールドプレートより最大3倍優れた熱除去性能を示したと述べています。

ドル紙幣Corintis は、新たな資金を活用してワシントンD.C.にオフィスを設立するなど米国での存在感を強化するとともに、マイクロ流体冷却の大規模製造に向けたグローバルな展開を加速させる計画です。

同社はまた、9月のシリーズAで2,400万ドルを調達して以来、複数の新たな大手テック企業と顧客契約を結んだと主張しています。

「高性能AIファクトリーのカテゴリーリーダーとして、Applied Digital は業界のペースを決め、未来を定義する技術への戦略的投資を通じて、そのリーダーシップをさらに加速させていく」と Applied Digital の会長兼CEOであるWes Cumminsは述べています。

「Corintis への投資と当社の投資戦略により、Applied Digital は電力や冷却から、性能、スケーラビリティ、効率を高めるその他の重要システムに至るまで、データセンターイノベーションの最前線に立ち続けます」

Corintis のRemco van Erp共同創業者兼CEOは次のように述べています。
「Applied Digital の投資は、高性能コンピューティングの次の波を解き放つ上で高度冷却技術が果たす重要な役割を強調しています」

AI インフラの最適化には、シリコンからインフラまで全体を俯瞰したアプローチが必要です。私たちの技術は、今日の最も強力なチップが抱える熱的課題に対応し、より高い冷却水温の利用や淡水消費の削減を通じて、次世代の高密度でエネルギー効率の高いコンピューティングを持続可能な方法で可能にするよう設計されています」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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