5Gがデータセンターの電力需要を増加させるとの調査報告
ユーティリティプロバイダーE.ONが支援するドイツ国内での調査によると、新たな5Gモバイル通信は、データセンターのエネルギー需要を大幅に増加させるとの報告があります。
ドイツのアーヘン工科大学(RWTH)のレポート(PDF ※ドイツ語)によると、高帯域幅5Gネットワークはデータ需要を大幅に増加させ、2025年にはドイツ国内のデータセンターの消費電力は年間3.8テラワット時(TWh)にまで増加し、それはケルン、デュッセルドルフ、ドルトムントの250万人が消費する電力に相当すると言います。
電力エネルギーの渇望
この電力エネルギーへの渇望は、モバイルネットワーク網を構築する企業や映画ストリーミングの急増など、新たな技術をトリガーとして発生すると研究報告では述べられています。またこれらは、今後特に電力を要求されるであろう小規模なローカルエッジデータセンターで顕著であるとしています。
E.ONの取締役であるKarsten Wildberger氏は、これらの施設に再生可能なソースが最初から組み込まれることを期待しています。「2030年までには、全世界の電力要件の最大13%はデータセンターで消費されるだろう。そのためには、持続可能な電力供給が必要だ。」と彼は既にそれは可能であると言います。「我々は、クリーンエネルギーをデータセンターに供給したり、熱電併給(CHP)プラントや燃料電池などの高効率の分散型発電施設をオンサイトで構築している。多くの場合、太陽光発電システムまたは風力エネルギーと組み合わせです。」
フランクフルト周辺地域では、E.ONの子会社のネットワークオペレーターSynaが、計画中のデータセンターの電源を確保する為に変電所を委託し、電力要件を持続的にカバーする方法を模索しています。
また、E.ONは廃熱の再利用も奨励しています。現在、ドイツのデータセンターでは130億キロワット時(kWh)の電力が熱に変換されており、同社によれば、このほぼ全てが自然環境に放出されていると言います。RWTHの調査では、データセンターのわずか19%しか廃熱の活用ができていないことがわかりました。
Wildberger氏は、業界では2025年までに8TWhの廃熱が利用可能であり、それを活用できればと考えているようです。「今日、データセンターからの廃熱はあまりにも活用されていない。データセンターからの廃熱は、住宅や街全体に供給されるべきだ。これは我々が顧客と共に実現しようとしている、電気と熱を繋ぐ非常に具体的かつ重要な貢献である。」同社は、ectogridと呼ばれるネットワーク冷暖房製品を提供しています。
同社はまた、 電力浪費の抑制を支援する 「グリーンインターネットデー」と呼ばれる啓発キャンペーンを計画しています。1月8日に、E.ONはインターネットやソーシャルメディアチャネル上での活動を停止し、代わりにグリーンインターネットソリューションを示しました。
このデータセンターに関する研究は、 アーヘン工科大学のFuture Energy Consumer Needs and Behavior研究所(FCN)のMadlener教授による文献に基づいています。
Data Center Dynamics
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