アイルランドで燃料電池を利用したデータセンターの建設計画

SK Ecoplant社とLumcloon Energy社は、アイルランドで、送電網への接続を行わず、ガス燃料電池を利用した新データセンターを計画しています。

Irish Timesが報じたところによると、両社はアイルランドで「燃料電池を動力源とするデータセンター」を計画しているとのことです。

今週、アイルランドの開発会社とSKグループの建設子会社との間で、アイルランドから韓国への貿易使節団が派遣された際にこの契約がとり交わされました。

データセンターの仕様、場所、開発スケジュールなどの詳細については明らかにされていません。なお、燃料電池は当初、天然ガスを燃料とする予定とのことです。

「両社は共同でアイルランドにヨーロッパ初の燃料電池を使用するデータセンターを建設する予定です。データセンターが使用するエネルギー、送電網への負担、データセンターの二酸化炭素排出量は、ここ数年、多くの政治的議論の原因となっており、戦略的に非常に重要なことだと私は考えています」とSimon Coveney企業・貿易・雇用担当大臣は述べています。

同氏は次のように続けます: 「最初はガスだが、将来的には水素を燃料とする燃料電池技術で駆動するデータセンターを建設できれば、その分野のダイナミズムは一変することになり、非常にエキサイティングなことだと思います。そして、彼らはこれを実現し、ヨーロッパ初の燃料電池電力データセンターが事実上、将来の他の多くのデータセンターの雛形となることを示したいと強く望んでいます」

まだ両社はこのプロジェクトについて何も発表していません。

2008年に設立されオファリーに本拠を置くLumcloon社は、エネルギーインフラの開発企業です。同社のウェブサイトに掲載されているプロジェクトには、シャノンブリッジにある2つのバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)(100MWの稼動中のプロジェクトと将来計画中の63MWのプロジェクト)、ルンクルームにある100MWのBESSプロジェクト、2024年10月に稼動予定のキャッスルロストにある275MWの予備ガス焚き発電機とエネルギー貯蔵システムがあります。

以前はSK E&Cとして知られていたSK Ecoplant社は、SK Telecomや SK Hynixなどを所有する韓国のコングロマリットSK Groupの建設子会社です。SK EcoplantはBloom Energy社と提携し、現在燃料電池と水素発電設備の開発を進めています。

ダブリン周辺での新規送電網接続の一時停止が続く中、約12の事業者がGas Networks Ireland(GNI)パイプラインへの接続許可を得ています。

しかし、昨年Eamon Ryan環境相がGNIに対し、電力供給をガスだけに依存するデータセンターへの接続をこれ以上行わないよう指示したため、ガスに依存する「アイランド型」データセンターの数は増えそうにありません。

以降、複数の事業者がキャンパス内にガス発電所を建設することを申請しましたが、その成否はさまざまです。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。