石油採掘とスーパーコンピューティング – DUG社、液浸技術を採用
液浸冷却の高性能計算システム – 40,000台を超えるサーバーが本領を発揮
石油ガス探索のスペシャリスト集団であるDownUnder GeoSolutions社(DUG社)は、テキサス州ヒューストンにあるSkybox Datacenterの施設内に 液浸冷却 のスパコンを設置する予定です。
DUG社とSkybox Datacenterの契約は合計で15MW、4万台を超えるサーバー配備にあたり、ヒューストンではこれまでで最大のコロケーション契約となります。
この施設は来年2月に完成予定で、2019年Q2頃に運用が開始されます。”DUG McCloud”として知られるクラウドサービスは総計で理論上、単精度で250 ペタフロップ のパフォーマンスを発揮する。
掘り当てられるか?
「DUG McCloudは、DUG社のサービスに膨大な計算能力と高性能なストレージをもたらします。DUG McCloudは、石油採掘において重要となる高振動数のFull Waveform Inversion(FWI)と逆時間マイグレーション(RTM)に加えて、ほかにもハイエンドな機能と数値計算アルゴリズムを持ちます。」と、CEOのMatthew Lamont氏は語ります。
近年、石油の貯蔵調査では、高性能計算を積極的に導入する動きが顕著です。(例:NVIDIAのGPUコンピューティング)その際に用いられる FWI や RTM といった指標は、石油ガス企業が地球の物理的特性をとらえ、化石燃料を捜索、発掘するのに役立ちます。但し、この取り組みには膨大な時間と計算が必要とされ、例えば従来の「12hz FWI」の計算能力では、結果が出るまでに1年ほどの時間がかかる機械もあるほどです。
West Australian紙の取材に対して、DUGは、100Hzの分析ソフトウェアのリリースを目指していることを伝えました。これが実現すれば、12Hzの分析に比べて計算機能が4000倍となります。同社は、2億5千万ドルを今後5年間で高性能計算に投資する計画があることも、明らかにしました。
DUG社がヒューストンに設置するスーパーコンピューターでは 液体冷却 を採用し、同社のDUG Coolと呼ばれるサーバーを誘電性(ポリアルファオレフィン)液体に浸けるシステムを使用します。
「我々は、DUG Coolを世界で最も環境に優しいクラウドサービスだと考えています。DUG McCloudは希望の光を持って迎えられるでしょう」とLamont氏は語ります。
DUG社は、 液浸冷却 を導入することで、パース、ロンドン、クアラルンプールとヒューストンにあるデータセンターを PUE 1.05あるいは更に低いPUEで運用できるようになると主張しています。
現存の施設では、DUGは50 ペタフロップ 分の計算能力を持ちますが、今後、これを500 ペタフロップ まで拡大しようとしています。
– Data Center Dynamics
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