データセンター事業者はUPSをグリッドに共有する準備ができているかもしれないとのレポート

UPSバッテリーの半分までは予備として他の場所で利用可能、とOmdiaは報告

調査団体Omdiaによると、データセンター事業者は今後4年間で、エネルギー管理対策をサポートするグリッドアウェアUPS(無停電電源装置)にアップグレードしていくだろうと報告しています。

再生可能エネルギーの供給が需要と一致しないため、電力網はよりダイナミックなものになる必要があります。データセンターのUPSは、需要のピークを平準化するためにエネルギーの一部を提供することができます。データセンター事業者は、UPSの主な仕事は施設をオンラインに保つことであるため、このアイデアには抵抗しています。しかし、Omdiaのデータセンター電力・冷却・持続可能性担当主席アナリストのMoise Levy氏の調査によると、サプライヤーがより優れたグリッドアウェアUPSを提供し、そして事業者はエネルギーに余裕があることを確信するようになったため、この抵抗は弱まりつつあるとしています。

ただし、この結果はサンプル数が少ないため、慎重に取り扱う必要があります。

グリッドを信頼する

「スマート電力グリッドへの再生可能エネルギーの統合は、スマートグリッド対応のUPSによって、再生可能エネルギーの予測不可能性を平準化し、エネルギー供給と需要のバランスをとり、電力網のインフラ投資を削減あるいは延期することができる」とLevy氏は言います。「イートン、シュナイダーエレクトリック、バーティブなどのメーカーは、すでにこのような機能を備えたUPSを提供している」

Fast Frequency Response(FFR)のような技術は、データセンターのバッテリ電力のほんの一部を短時間使用して、グリッドのバランスを取るものですが、データセンター事業者がグリッドオペレータに制御の手段を渡す必要があります。例えば、フィンランドのTeliaは最近、Fortumと協力し同社のフラッグシップデータセンターをグリッドに接続しました。

Omdiaは、事業者の4分の3以上(77%)が、貯蔵エネルギーを共有することでミッションクリティカルなアプリケーションを危険にさらすことはないと「確信」していることが分かったと主張しています。また、この報告書によると、過半数の人(80パーセント)が、バッテリーのエネルギーの半分が余分なものと考えていると報告しています。

しかし、Omdiaのこの調査の対象人数はわずか380人です。更に、この調査には電力会社、エンジニアリング会社、建築・コンサルティング会社も含まれているため、このうちの何人かはデータセンター事業者ではありません。また、調査対象も北欧、英国、アイルランド、フランス、ドイツ、オーストラリアと、世界各地に散らばっているようです。

これらの国のうち、北欧、英国、アイルランドは、グリッドレディUPSシステムが最も多く導入されている地域であるとOmdiaは述べています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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