Schneider、ラックマウント型冷却システムを発表
シュナイダーエレクトリックは、データ入力のあらゆる部分に冷却を分配するラックマウント型冷却システムを発売しました。
この新たなUniflair製品は、DXクーラント をラック下部に設置された5Uモジュールに循環させ、3.5kWの追加冷却機能を提供します。これは外部冷却ユニットで動作し、シュナイダーの エッジ 向け製品を対象としています。製品はワールドワイドで入手可能で、監視管理を司るSchneider Ecostruxure DCIM システムに対応します。
好きな場所で冷却
「 必要とされる場所で使用できる柔軟なツールを提供し、既存のインフラを改善する。」と、シュナイダーのデータセンター冷却製品部門ディレクターのMaurizio Frizziero氏はDCDに述べました。
このユニットは「スプリットシステム」であり、ラックユニットと建物の外部に設置された排熱ユニット間で循環する DX冷媒 により、ラック内部を冷却します。外部ユニットは、従来の空調システムで使用されるユニットとまったく同じ外観です。ラック内ユニットにはこの専用外部ユニットが必要であり、既存の DXシステム またはサードパーティ製のシステムとの接続はできない、とFrizziero氏は説明します。
DCDに送信されたPDFパンフレットを見ると、外部ユニットはラック内ユニットから最大20m、その前後5mまで離すことができるようです。ユニットは壁や地面、さらには「ラック上部」にも設置できるようです。
Frizziero氏は、このシステムはIT設備を利用ユーザやデータソースの近くに配置する必要がある「エッジ」向けであるといいます。これは、 IoT 、ストリーミングメディアなどの今流行りの一連のユースケースを示唆しています。これらは、近い将来に大幅な成長が期待されていますが、実際のところ、エッジの定義には、オフィススペースに既設のITラックを活用するといった古典的なユースケースも含まれています。
パンフレット上でのアプリケーション一覧は、「既存の小規模サーバールーム/ネットワークラック」から始まっています。これは、冷却されていない部屋、あるいは週末に停止される室内エアコンに依存する部屋を意味しています。また、このような部屋に対し過剰なプロビジョニングがおこなわれたり、ゼロからセットアップされたりした際に、この製品が役立つ可能性があることも示唆しています。
通常、このようなサーバールームは消滅するものと想定されています。これは、社内ITの小さな単位がより大きな企業サイトやコロケーションサイトへの統合、あるいは完全なクラウドへの移行等が進んでいるためです。このシステムは、標準ITラック、密閉型ITラック、または堅牢性の高いITラックなど、どんな標準的なラックにも設置可能であるとFrizziero氏はDCDに対し確証しています。
Unflairラック内システムは、現在エッジアプリケーション向けに展開されているNetShelterなどの単一ラックに設置することも、一般データセンター内の高密度ホットスポットへの追加冷却として導入することもできます。
高密度ラックの場合、3.5kW程度の冷却はあまり強力ではありませんが、Frizziero氏は、このような場合、ユニットは既存冷却システムを補完する形(例えば既に3kW以上の冷却が与えられている場合など)で動作させることを推奨しています。
ただし、自己完結型のモジュラー型データセンター、あるいは大規模施設では、既存の冷却システムと並行して、システムに対し独自の並列冷却を設置する必要があります。このため、このようなユースケースはこの製品がターゲットとする市場ではないだろう、とFrizziero氏は言います。「私はホットスポット対策をこの製品の最重要アプリケーションとしては見ていない。」
Data Center Dynamics
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。