シェルがGRCの液浸冷却認証プログラムに参加
ElectroSafeクーラントの最初のパートナー企業が参入
シェルは、データセンター用液浸槽の代替冷却液を認定するGRCのプログラムへの参加を表明しました。
GRCのElectroSafe Fluid Partner Programに参加することで、シェルは、エネルギー効率の高いサーバーの液冷を実現するGRC社の液浸槽向けの冷却液の選択肢を広げることができます。
シェルは、今月初めに開始されたこのプログラムに参加する最初のパートナー企業となります。
「GRCのElectroSafe Fluid Partner Programの最初のメンバーとしてシェル社の参加を歓迎し、相互支援の取り組みの拡大を期待しています」と、GRCの最高製品責任者であるBen Smith氏は述べています。「シェルとGRCのコラボレーションは、データセンター業界に定評のある2つの企業とグローバルな拡張性を提供し、データセンターのエコシステムにおける主要なIT OEMパートナー企業も活用できるようになります」
液浸冷却は、効率的かつ低騒音でIT機器からの熱を除去し、冷却にかかるエネルギーの無駄を削減します。また、AIなどの新しいアプリケーションに見られるような、より高密度のラックに対応でき、データセンターで標準的に使用されている空冷よりも有用な 形態(温水)で廃熱を回収することができます。
しかしながら、液浸冷却は、データセンターの設計を大きく変えることになり、また改修工事も高額になる可能性があるため、これまではハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)や暗号通貨マイニングなどのニッチな用途限定で、少しずつ普及が進んできました。
しかし、液冷が大きく進みそうな 兆しもあります。今週、Metaはデンマークのオーデンセにあるデータセンター・プロジェクトを中止し、AIにフォーカスした別のデータセンター・アーキテクチャに素早く移行するために、多くの主要プロジェクトの再検討を行っていることが明らかになりました。今年のOpen Computer Project(OCP)サミットでのMetaの発表によると、これには液冷が含まれると考えられています。
GRCのElectroSafeスキームは、同社の液浸槽で徹底的にテストされた「地球に優しい」液体冷却液の種類を増やすことを目的としています。GRCは、自社ブランドのElectroSafeクーラントを全世界で販売していますが、本プログラムにおいて、シェルとGRCは、その他のクーラントの適合性、安全性、熱性能を最適化するための評価と試験データの収集を共同で行う予定です。
「シェルは、GRCのElectroSafe Fluid Partner Programのメンバーになることを大変うれしく思っています」と、シェルのグローバルキーアカウント&ニュービジネス担当副社長Ade Ajala氏は述べています。「単相液浸冷却は、性能、コスト、持続可能性の面でメリットがあり、採用が進んでいます。GRCの先進的な冷却システムとシェルの最先端の液浸冷却液を組み合わせることで、世界中のデータセンターに優れたソリューションを提供できると考えています」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。