シーメンスがAIベースの室温最適化ソリューションを欧州とアジアに展開

AIベースのヴィジレント製品を統合した需要主導型の冷却ソリューションを米国以外でも提供

独シーメンスは、ヴィジレント社の人工知能技術をベースにした、データセンター向けAI電源による室温最適化サービスを提供することになりました。この契約は、米国の既存代理店業者とのパートナーシップを拡大するでしょう。

シーメンスのビルディングテクノロジー部門は、ヴィジレント社のAI製品を採用することによって、データセンターのホワイトスペース全体への冷却方法の改善だけでなく、ホットスポットと過冷却の両方の排除、センサーデータのリアルタイム分析を利用した動的な室温コントロールを可能にします。シーメンスは同時に、米国内に拠点を置くヴィジレント社の少数株主となりました。

冷却崇拝

「シーメンスが提供するこのソリューションは、ハイパースケールから小規模のデータセンターまで提供可能です」シーメンスのデータセンター部門グローバルヘッド、L.トグナッチ氏は、同社の建設管理とエネルギー管理スキルが結集して、この最適化サービスを実現させたとDCDに語りました。

シーメンスにはMindSphereと言うクラウドベースのIoTプラットフォームがあります。これにはアプリケーションが搭載されてお同社内で運用されています。シーメンスにはチラープラントの使用を最適化するDemand Flowという製品が既にありますが、ヴィジレント製品の機能はそれをさらに進化させたものなので、シーメンスのホワイトスペースへのビジネス展開が拡大することになるでしょう、と彼は説明しました。

ヴィジレント製品のトレーニングを受けたシーメンスのスタッフが新製品を納品します。シーメンスのスタッフはヴィジレント社と連携して調整や改善を行う、と新製品リリース責任者J.モニカ氏は述べました。シーメンスにはパフォーマンスと持続可能性構築を担当する800人のスタッフがいます。平均して削減したユーザー側のエネルギーは23%、2017年の合計削減額は$174,000,000にもなりました。

ラック内のIoT

「ヴィジレント製品は私たちの課題にとって理想的でした。おかげでホワイトスペースを最適化できるようになりました」とトグナッチ氏は言いました。「この製品はラック内のIoTに作用し、ITと運用技術(OT)を統合します」

この製品は、需要に応じて冷却を供給するようにデータセンターを調整できるようになる、とポートフォリオマネージャーのJ.フルーリ氏は述べました。これにより、無駄な冷却機器資産をオフにすることができるので冷却を抑えることができます。その回収期間は2年から3年で済みます。しかも、冷却を低く抑えても過熱の危険性が増すことはありません。ラック内のセンサーが発生したホットスポットを検出し、そこに対して確実に冷却が追加されるようにします。

「データホール全体で改善を図り、各 CRAC ユニットを制御し、継続的にパフォーマンスを監視します」とフルーリ氏は述べています。「全てのファン速度はリアルタイムで最適化され、各CRACユニットは実際のニーズに合わせます」

ビルオートメーション

今月もシーメンスは、オープンソフトウェアフレームワークを採用してビルオートメーションと IoT を専門とするJ2イノベーションズ社を買収すると発表しました。カリフォルニアに拠点を置くJ2はシーメンスの子会社となり、シーメンスは北米でJ2製品を販売します。

設立10年ほどのJ2は、ビルの自動化システムを監視および管理する FIN (Fluid INtegration)フレームワークで有名です。

– Data Center Dynamics
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