富士通が米国のデータセンター事業から撤退、南米でも同様の可能性

富士通はアメリカ大陸におけるデータセンター戦略見直しを進めており、北米データセンター事業からの撤退を発表しました。

富士通の米州担当CEOに就任したAsif Poonja氏は今週、BNAmericasとのインタビューにおいて、同社は特に南米市場において、直接サービスを提供するのではなく、プロバイダとの提携の可能性について検討を重ねているとコメントしました。

同社は最近、北米(米国とカナダ)のデータセンター事業から撤退すると報じられていましたが、欧州では引き続きこのセクターでの事業を継続するとのことです。

「北米では、データセンターは当社にとってコモディティだった。誰もがクラウド化を進めており、現在もクラウド化が進んでいるが、われわれにはその市場に対抗するだけの規模と規模がなかった」とPoonja氏は同メディアに対しコメントしています。

「そこで、北米でのデータセンター事業から撤退し、クラウドの三大巨頭の馬車に乗り、パートナーシップを組んで彼らをサポートすることを決断した」Poonja氏は、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudを引き合いに出し、こう付け加えました。

また、米国やカナダと同様、規模や大きさの問題から、南米でもデータセンターは今日、グループにとって「重要なビジネスではない」と同氏は述べています。

「これらのプレーヤーと競合できるのか、それとも提携すべきなのか。それが重要な鍵だと思う。私たちは、北米での戦略と同じように、後者に傾いている」、とPoonja氏は述べています。

しかし、カリブ海諸国では、富士通のデータセンター部門はまだ戦略的であると考えられています。カリブ海地域における富士通の3大市場は、トリニダード・トバゴ、バルバドス、ジャマイカです。

「データセンター事業は、アプリを中心としたラップアラウンドサービスや、(富士通のポートフォリオである)Uvanceの後押しなど、カリブ海市場での事業運営に欠かせない中核的なものである」とPoonja氏は言います。



DCDはこの件について富士通に問い合わせを行いました。

声明では、富士通はDCDに対し次のようにコメントしました。「富士通は各地域において、それぞれの市場を理解し、分析し、地理的に相乗効果のある適切なソリューションを提供することを目的とした柔軟な戦略を採用している。南米については、富士通はサービス・ビジネスへの移行に伴い、顧客や市場のニーズに沿った現在のサービスを維持しつつ、グローバルなクラウド・プロバイダー(Microsoft、Google、AWS)との提携や協業を含め、市場での競争力を維持するための最適なアプローチを引き続き検討していく」

我々は、同地域における同社のデータセンター計画について、より明確な説明を求めています。



【元記事の続き】 富士通とMicrosoftは今年初め、既存の協力関係を拡大し、Microsoft Cloudを活用した富士通のUvance事業の「拡大を推進」するため、5年間のパートナーシップ契約を締結しました。

2014年のプレスリリースでは、同社はサスカチュワン州レジャイナの新しいデータセンター計画に加え、ニューヨークとカリフォルニアの新設データセンターを発表し、また、カリフォルニア州サニーベール、テキサス州ダラス、ケベック州モントリオール、オハイオ州コロンバス、ノースカロライナ州ダーラム、トリニダードで施設を運営していると述べていました。

「富士通は北米全体で150以上のデータセンターで200万平方フィート以上の容量を有している」、と同社はその当時述べていました。

富士通は現在も英国とオーストラリアでデータセンターを運営しており、日本でもロボット技術の試験運用を行っています。

Poonja 氏は2023年5月に米州担当CEOに任命されました。彼は以前、最高技術責任者(CTO)と顧客市場責任者を務めていました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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