富士通、データセンターでプライベート5G&ロボットによる設備監視の実証実験へ

横浜で4ヶ月間の実証実験後、本格展開へ

富士通は、ロボットによる機器の自動点検を実現するため、データセンターに5Gのプライベートネットワークを試験的に導入します。
 
富士通株式会社は今週、株式会社富士通総研とともに、神奈川県横浜市にある同社の横浜データセンターでこの一連の実証実験に着手すると発表しました。
 
実証実験は2022年12月から2023年3月まで行われ、プライベート5Gネットワーク技術を機器検査に活用することで「データセンターのデジタル変革を促進し、運用の耐障害性やプロセスの自動化を高める」ことを目指します。
 
本実験では、4Kカメラを搭載した自律型ロボットが施設内を巡回し、サーバーなどの機器を動画で撮影します。さらにそのデータをプライベート5Gでローカル伝送し、現場の状況をAIで分析することで、異常の早期発見を目指します。
 
富士通は、”遠隔地からでも現場の状況把握や復旧作業を支援できるシステムの構築 “を目指すとしています。
 
富士通は今回のトライアルで得た知見を活かし、他のデータセンターにも同様のシステムを導入し、最終的には他のデータセンター事業者にもソリューションとして提供する予定です。
 
他の企業でもデータセンター内にロボットを導入しようとする試みは行われていますが、その進捗は遅れています。
 
NTTは今年、データセンター管理を支援するロボットを開発中であることを発表しました。NTTはこのシステムに関する詳細をほとんど提供していませんが、同社が公開した映像には、車輪のついたロボットの胴体が映っています。また2本の腕があり、3本指の爪のような手を持っています。これは、日本のエンジニアリング・ロボット工学の会社であるTHK株式会社のSEED Solutions プラットフォームロボット 「SEED-R7シリーズ」であると思われます。
 
2020年当時、米国のSwitchは特殊なSentry Robotsでロボット市場に参入すると、当時は別事業になると派手に発表していました。しかし、このプロジェクトに関する記述は、同社のウェブサイト上からひっそりと削除され、ロボットの現在の状況についてコメントを求めても、同社からの返答はありません。
 
一方中国では、HuaweiとAlibabaが独自のカスタムデータセンターロボットを運用していることが知られており、そして韓国のNaverは世宗市にあるCloud Ringデータセンターでロボットの使用を計画していると言われていました。
 
また、米国ユタ州に本拠を置くNovva社は、よりシンプルなアプローチを取っています。同社は自社でロボットを開発せず、Boston Dynamics社のSpotロボットを利用しています。このシステムも、施設のメンテナンスというよりは、監視やセキュリティという比較的単純なタスクに焦点を当てています。同社は、4Gまたは5Gを現場に導入し、より広範な接続範囲を実現しようと検討しており、将来的にはBoston Dynamics社の人型ロボットAtlasを使用する可能性もあると述べています。また、施設外部とデータホール内の両方でドローンの利用を検討しているとのことです。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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