中国Nexperia、英国最大のチップメーカーNewport Wafer Fabを買収へ
Nexperia(ネクスペリア)が、英国最大のチップメーカーであるNewport Wafer Fab(ニューポート・ウェハー・ファブ)の買収を計画しています。
厳密にはオランダを拠点とする半導体企業のNexperiaは、中国のWingtec(ウイングテック)が100%所有しています。Datennaによる同社の企業分析では、Wingtecの所有権の少なくとも30%は中国政府にまで遡ることができるといいます。また、Wingtecは、中国国内の家電製造工場に対して国から補助金を受けています。
南ウェールズに拠点を構えるNewport Wafer Fabは、週におよそ8,000枚のウェハーを生産しています。同社が生産する200mmウェハーは、世界的な半導体不足の影響を受けている自動車業界で主に使用されています。
半導体工場は重要な役割を担っており、また中国の投資家に対する敵意が高まっているにもかかわらず、今回の買収は、新たに導入された国家安全保障投資法に基づく審査がなされていません。
これは驚くべきことであると、英国政府のChina Research Groupの責任者であり、外交特別委員会委員長であるTom Tugendhat氏はCNBCに対し語っています。
「この法律の目的は、経済や国家安全保障に重大なリスクがある場合に、国内の技術系企業を外国の買収から守ることである」と彼は言います。「英国は、Carbis Bay G7 communique,に署名した際、半導体などの重要なグローバルサプライチェーンの経済的回復力を高めるための措置を講じることを約束した。これは、その約束を即座に、しかも公然と覆したように見える」
さらに彼は、政府が「技術を利用して地政学的な影響力を行使してきた国家の企業の手に、英国最大の半導体ファウンドリが落ちるのを見て見ぬふりをする理由をまだ説明していない」と続けています。
CNBCの報道によると、約6300万ポンド(8700万ドル)で売却された同社は、市場のリーダーと比較すると、むしろ小さな会社です。例えば、TSMCは、工場1棟に数百億ドルもの費用を投じることができ、今後3年間で1,000億ドルを投じるとも言われています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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