中国の半導体大手「清華紫光集団」が倒産の危機に直面

清華紫光集団(Tsinghua Unigroup:清華ユニグループ)の債権者が、中国の半導体企業の破産手続きを開始するよう裁判所に要請しました。

この半導体企業は11月以降、何度も債券の支払い期限を逃しており、債務の返済が滞っています。同社は、年明けまでに約36億ドル相当のオンショアおよびオフショアの7つの債券について、デフォルトに陥ったか、クロスデフォルトが発生した可能性があるとRefinitivは報道しています。

尚、債権者は、安徽省に本拠を置く香港上場の国有企業、慧翔銀行です。

清華紫光集団は、半導体の設計・製造を行う子会社を数多く保有しており、その中には他社との共同出資によるものもあります。

ファブレス半導体メーカーのUNISOCもその一つで、2014年にはインテルに15億ドルで20%の株式を売却しています。2月、Nikkeiは、清華紫光集団が資金調達のために、主にモバイルに特化した事業の株式の少なくとも10%を売却することを検討していると報じていました。

UNISOC以外にも、清華紫光集団は成都で304億3000万ドルの巨大な3D NANDフラッシュメモリ工場を、重慶ではDRAMメモリチップ工場の開発を行っています。しかし、同社の財務状況が悪化しているため、両プロジェクトとも遅延しています。

習近平国家主席の母校である清華大学が過半数を出資する清華紫光集団は、地方政府の資金に大きく依存したビジネスモデルを展開していました。

しかし11月、中国国家発展改革委員会は、地方政府が計画性のない半導体プロジェクトを支援するのは間違っており、失敗した場合には地方政府が責任を負うことになると発表しました。

また、中国工業・情報化省の王志軍副大臣は、経営難に陥っているチップ工場への「盲目的な投資」に対する監督を強化するよう求めていました。

しかし、清華紫光集団の努力のすべてが失敗したわけではありません。UNISOCの評価額は100億ドル相当であるとも言われており、一方、武漢に拠点を置くYangtze Memory Technologies Coは3D NANDフラッシュにおける成功事例となっています。

また、一部を保有するセキュリティチップ開発企業のUnigroup Guoxin Microelectronicsは、前年同期比で50%の収益増を報告し、クラウドコンピューティング・インフラ事業を手掛けるUnisplendour Corporationは30%の成長を達成したと述べています。

中国が国内の半導体生産に多額の投資を行っていることから、同社は現在の危機を乗り越えることができると期待されています。「半導体は中国政府の優先事項である」と関係者はNikkeiに対し語っています。

「清華グループ自体は裁判所主導のリストラを受けるかもしれないが、グループ会社の運営方法への影響は限定的だろう」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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