TSMC、Q2収益は48億ドル、自動車向けチップの逼迫は緩和へ、更なるファブを計画、3nmは2022年に登場

TSMCは、世界的なチップ不足の中で数十億ドルもの収益を上げました、そして世界最大の半導体受託メーカーとしての地位を確固たるものにするため、さらなる投資を計画しています。

TSMCの第2四半期の売上高は3,721億5,000万NTドル(133億米ドル)、純利益は1,343億6,000万NTドル(48億米ドル)でした。

そして、次の四半期の売上高は146億~149億ドル、売上総利益率は49.5%から51.5%になるだろうと同社は予測しています。

需要がチップに負担をかける

パンデミックの初期に一部の半導体供給は削減されましたが、それが原因でチップ不足が起きているわけではありません。むしろ、かつてないほど多くのチップが生産されているにもかかわらず、需要の急増により生産ラインが圧迫されている状況です。

その理由のひとつは、多くの企業がコロナ禍の影響で自動車の販売台数が減少すると考え、チップの注文をキャンセルしたためです。そうではないことに気づいたときには、彼らは列の最後尾に追いやられていました。

広範囲にわたるチップ不足の解消には何年もかかる可能性がありますが、TSMCは、自動車関連の最悪の問題はすぐに解消されると考えています。同社は、crucial マイクロコントロールユニットの生産量が、2020年に比べて今年は60%増加すると述べています。

自動車各メーカーは過去1年間に工場の稼働停止を繰り返していましたが、ゼネラルモーターズは先日、予定よりも早く生産を開始すると発表しました。

ただ、まだ問題は残っており、自動車の供給不足が完全に解消されることはなく、数年間は続く可能性があります。さらに事態を悪化させているのは、自動車メーカーが「ファブタイム」を獲得すると、パニック的にチップを買いだめしているという事実です。

TSMCは、長期的には、自動車メーカーが2~3年のうちに55nmや40nm製品から、より高度な28nmの製品に移行していくことも期待しています。

TSMCのCEOであるC.C. Wei氏は、決算説明会の中で「あらゆるセクター全般にわたり、生産能力は今年いっぱいは厳しい状態が続き、少なくとも2022年まではそれは続くだろう」との予想を説明していました。

TSMCは以前、すべての新規受注に対応するため、1,000億ドルをかけて新しい工場を建設していくと発表しました。現在、同社は日本のファブ(新工場)のデューデリジェンスを行っていますが、これはその投資の上乗せ分になります。

同社はそのほかにも、米国アリゾナ州での巨大施設を計画しています。同社によると、米国の従業員が5nm製品の開発方法を学ぶために台湾に来始めていると話しています。しかし、120億ドルを超えるこのファブでの生産開始は早くても2024年になるといいます。

TSMCはまた、台湾以外の工場では、政府からの手厚い優遇措置にもかかわらず、操業コストが高くなると警告しています。これは、チップ価格の上昇につながります。

TSMCは3nmプロセスノードの開発についても進めています。同社は、2022年後半からのチップ生産開始に向けて、開発は順調に進んでいるとしています。そして、ハイパフォーマンス・コンピューティング市場での普及を期待すると述べています(※ 同社は、データセンターを一般的にHPCのバナーに含めている)。

C.C. Wei氏は、Crunchやパンデミックによる現在の売上増加に加えて、”5GやHPC関連のアプリケーションという複数年にわたるメガトレンドにより、計算能力の大幅な向上とエネルギー効率の高いコンピューティングへのニーズの高まりが予想されるため、半導体の基礎的な需要が構造的に増加するのを目の当たりにしており、これには最先端の技術が必要になる “と述べている。

TSMCの圧倒的な成長と利益率に歯止めをかけるものは、おそらく「戦争」しかないでしょう。

会社及びその最大規模のファブの大半が台湾にあることから(グローバル展開後も)、中国が領有権を主張していることを懸念するのは当然でしょう。

同社の会長であるMark Liu氏は次のように述べています。「中国による侵略に関し、誰もが台湾海峡が平和であることを望んでいる。そして、それがあらゆる国のメリットになるだけでなく、台湾の半導体サプライチェーンは、誰も混乱させたくないと考えている…そして、台湾海峡の問題は、どの国も望んでいないと思う。ですから、私はその点について楽観的だ」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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