TSMCが熊本に日本初となる半導体工場建設を検討

世界最大の半導体メーカーTSMCが、日本での事業拡大を検討しています。同社は、熊本県にあるソニーの工業団地の近くに半導体工場の建設を検討していると報じられています。

Nikkei Asiaによると、TSMCは立地条件や国からの補助金について評価しているとしています。

「TSMCは、日本に先進的な半導体工場を建設していくという日本政府からの提案について検討を行っているが、まだ完全にコミットして(計画を)確定したわけではない」と関係者の1人は語っています。

もしこの計画が実現すれば、TSMCの2020年の売上高の4.7%を占める生産拠点が日本で初めて誕生することとなります。

ソニーは、イメージセンサーとマイクロコントローラー事業が好調であることから、新拠点の主要顧客のひとつとなるでしょう。しかし、28nmと16nmのチップの生産を期待されているこの工場には、ソニーは出資しないと見られています。今月の初め、日本政府はTSMCが国内で新しいチップ技術を開発するとする3億3800万ドル規模のチップ研究プロジェクトを承認しました。

TSMCはこれまで、研究と生産のほとんどを台湾国内で行ってきましたが、この動きはTSMCにとって大きな転換点となります。

しかし、世界的な半導体不足や、米中の緊張の高まり、そして現代テクノロジーから切り離されることへの懸念などもあり、各国政府は競ってTSMCに自国での工場建設を促す巨額なインセンティブを提供しています。

TSMCは現在、米アリゾナ州に120億ドル超規模のサイトの建設を進めており、中国のサイトを拡大し、そしてEUでの工場開設を検討しています。

同時に、台湾の製造工場にも数百億ドルを投じており、3年間で全世界合計で1,000億ドルもの投資が見込まれています。

Data Center Dynamics

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