マレーシアのミーアサット社、異常が発生した「ミーアサット3」人工衛星を軌道から外す

来年には ボーイング社製通信衛星 をエアバス社製に切り替え予定

マレーシアの通信衛星オペレーターMeasat(ミーアサット)社は、6月に検出された異常が完全に修正されなかった同社の通信・放送衛星の1機を退役させ、軌道から外すことになりました。

ボーイング社製のMEASAT-3(ミーアサット3)静止衛星は退役し、来年には後継機が打ち上げられる予定です。サービスは、ミーアサット社と他社が運営するこの地域の他の衛星に移されます。

同社は6月21日に衛星の位置がずれてしまう異常を最初に検出し、6月24日に問題が解決して衛星が制御可能になったと発表しました。その後すぐ「断続的なサービスの低下」として、さらなる衛星と信号の安定化処理が必要であると発表しました。

7月には衛星の距離測定とコマンドコントロールは継続しているものの、ボーイング社と協力して問題を調査している間、他の衛星との干渉を防ぐために中継装置トランスポンダを停止したと発表しました。以降、ミーアサット3の「ほぼすべて」の顧客サービスは、他のミーアサット衛星(1、2、3a、3b)に加えてこの地域にサービスを提供している他社の人工衛星のバックアップ容量に復旧させていました。

同社の発表によれば「この事故によりサービスは完全に停止し、現在も調査中です。ミーアサット3の距離測定とコマンドコントロールは継続していましたが、さらなるテストとリカバリーの結果、衛星はサービスを再開することができませんでした。」

ミーアサット3は2006年12月に打ち上げられて以来、約15年間にわたって衛星通信サービスを提供してきたボーイング601型衛星です。現在は退役しているヒューズ社/ボーイング社製のミーアサット1および2人工衛星とともに、マレーシア-東アジア衛星(MEASAT)システムで運用されていました。

ミーアサット3aは2009年にOrbital Sciences Corporationによって製造されています。

エアバス社は2019年に、初代ミーアサット3の後継衛星であるミーアサット3dの開発を委託され、2022年初頭に打ち上げられる予定です。同社はミーアサット3bも製造しています。

正式なミーアサットcは存在せず、代わりにNewSat社のJabiru 1衛星からその名称で容量を借りています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。