OVHcloudの収益が増加
火災事故の影響が懸念される中
フランスのサービスプロバイダーOVHcloudは、波乱万丈な1年であったにもかかわらず、2021年度の増収を報告しました。
第1四半期の収益は14%増の1億8720万ユーロ(2億1290万ドル)で、これは同社が新規顧客を獲得したことに起因しています。これは、3月にストラスブールのデータセンター全体を焼失させた悲惨な火災事故の後、10月に市場への上場に成功したことによります。
尚、最近の新規顧客には、EDF Renewables社やHarfangLab社などが含まれています。
信頼できる代替手段
火災事故があったにもかかわらず、OVHcloudのCEOであるMnichel Paulinは、同社が「信頼できる代替案」を提供したのだと決算説明会の中で説明しています。OVHcloudは、プライバシーに関する欧州の要求を満たし、データ主権をもたらすローカルクラウドソリューションの要求に対し、米国のウェブ大手であるAWS、Google Cloud、Microsoft Azureに代わる選択肢を提供しています。
ロイターの報道によると「新たな規制の機運が高まっている」とMnichel Paulinは述べています。「OVHcloudは、多くのハイパースケーラーに対して、代替ソリューションを提案できるユニークな立場にある」
しかし、ロイターは、Google、AWS、Azureが、欧州のGDPRプライバシー規制を満たすために動いていることについて指摘しています。
SBG2データセンターを焼失し、SBG1を機能不全に陥れた昨年3月の火災事故の影響は、まだOVHcloudにのしかかっています。法律事務所Ziegler & Associatesは、50社を超えるOVHcloudの顧客を代表して、火災事故は防火対策で手を抜いていた同社の責任であると主張し、集団訴訟を起こそうとしています。
同社は、保険会社や政府機関が関与しているため、火災の原因に関する調査結果の公表をIPO後まで遅らせたと主張しています。OVHcloudは、2022年に火災報告を行うと約束しています。
OVHcloudは火災への対応で顧客を失うのではとの予測もありましたが、この影響は後手に回ったようです。JPモルガンのレポートによると、同社のこの前期の収益維持率は112%であったといいます。尚、3月の火災の影響を受けるはずの8月までの通期では、100%でした。
同社は2022年の収益は12〜15%、コア利益率は40%と見込んでいます。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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