OVHcloudは防火対策や木造建築でリスクを負っていた可能性があるとニュースが報道

フランスのニュースサイトがOVHcloudの行動に疑問を投げかける

創業者のオクターブ・クラバ(Octave Klaba)氏のツイートによると、フランスのクラウド事業者OVHcloudは本日、3月にストラスブールで発生した火災事故により被害を受けた顧客に対し、一部のサーバの復旧を完了させたと発表しました。一方、フランスの技術系ニュースサイトは、この火災事故は、同社のデータセンター建設に関する重大な欠陥が原因で悪化した可能性があると主張しています。

3月10日の火災では、SBG2データセンター全体とSBG1の4つのホールが焼失し、OVHcloudは両施設の閉鎖を決定しました。ZDnet.frの記事によると、ストラスブール施設は床材が木造製で、外気の循環を利用していたため、これらが延焼を助長した可能性があるとしています。

DCDとZDnet.frはOVHcloudに対し、この記事に対する回答を求めましたが、OVHcloudはこれを拒否し、週末により詳細な発表を行うと約束しました。

一方、同サイトの他のデータセンター2棟の顧客サーバの復旧や、ダメージを受けたサーバの清掃や移設、交換などの作業は遅々として進んでいません。ダメージを受け修理が完了したサーバに言及して、クラバ氏はこうツイートしています。「最初のサーバは(お客様に)お返しします。遅れて申し訳ありません。本当に悪夢のようです」

消防隊員は木材やプラスチックに言及

初期の報告によると、火災は無停電電源装置(UPS)から発生したようであるとされ、そのうちの1台は3月9日に保守サービスを受けていました。クラバ氏の初期のツイートでは、消防隊員がUPS8の炎上を証言していたと話していました。

テックレポーターのイヴ・グランモンターニュ(Yves Grandmontagne)氏は、次のようにコメントしています。「炎はすぐに1棟目の施設全体に広がり、消防士が別棟への延焼を抑える作業に集中せざるを得ないところまで達していた。この急速かつ制御不能な延焼には、いくつかの原因があったと思われる。StrasTVでのバ=ランSDIS67の消防士の報告や、DNA(アルザスの最新ニュース)のインタビューの中で、救助活動を指揮するDamien Harroué司令官は、「不運であった」としつつも、木材やプラスチックはかなりの煙と炎を発生させるといった点を指摘しています。

グランモンターニュ氏はフランスのデータセンター関連出版物であるDC-magの編集者ですが、この記事はフランスの技術系ニュースサイトであるZDNet.frに掲載されました(英語版のZDnet.comとは無関係)

以前はOVHとして知られていたOVHcloudは、ストラスブールキャンパスでのデータセンター設計変更を何世代にもわたって行っています。敷地内の最初のデータセンターであるSBG1、SBG4では輸送用コンテナを採用したことから始まりました。

2017年に発生した停電事故後、OVHはコンテナ施設からすべてのサーバを移設し廃止し、敷地内の施設を個別に給電できるように分離すると約束しました。輸送用コンテナは、「我々のビジネス要件には適していなかった」OVHcloudの新サイトでは、輸送用コンテナは使用されず、同社はSBG1とSBG4をSBG3に移行し、そしてSBG1とSBG4を閉鎖すると約束していました。

しかしグランモンターニュ氏は、輸送用コンテナの構造要素は残っていたと考え、DCDに対しメールの中で、その撤去は完了されていなかったと伝えてきました。彼は、コンテナは依然として使われており、SBG4の施設には敷地内の他のデータセンターから電力が供給されていたままであると考えています。

2013年当時の工事の様子 – OVHcloud

彼の記事によると、SBG1とSBG4は 「海上コンテナで構成され、(コンテナ内を循環させ、収納物の重量を支えるために)木製の床が装備されている」とあります。彼はまた、2013年に建設された当時の現場の写真(クラバ氏が共有)を掲載しており、木製の床である証拠が分かります。また、木材とプラスチックが火災を広げるとする消防隊員の言及もあります。

OVHcloudデータセンターは、ラック内の液体冷却と、外気を循環させて熱を除去する「フリークーリング」を組み合わせています。OVHcloudは、対流を利用してフロア間の空気を循環させる多層構造を誇りにしていますが、これも災害の一因になった可能性があるとグランモンターニュ氏は言います。「火災時には、換気によって炎が下から上に向かって扇がれ、煙突効果を生み、そして炎は広がりやすくなる」

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