OVHcloudは防火対策や木造建築でリスクを負っていた可能性があるとニュースが報道

火災予防が不十分?

火災事故の後、クラバ氏は顧客に今後無料でバックアップを提供し、OVHcloudは防火システムを調査するためのラボに資金を提供すると約束しました。

クラバ氏は、火災後に公開されたビデオの中で、次のようにコメントしていました。「私たちは、さまざまな種類の部屋で火がどのように進行するのかをテストし確認し、すべての部屋で消火するための最良の方法を見つけたいと思う。このラボでの結論を業界内で共有したいと思っている。なぜなら、データセンターでこの種のインシデントは誰も望んでいないからだ」

クラバ氏は、防火基準は国によって異なり、データセンター内の部屋によってもそれぞれ異なるという点に言及していましたが、SBG2にどのような防火対策が施されていたかについては言及しませんでした。同社は防火システムに関する質問に答えておらず、グランモンターニュ氏は欠点があったのではないかと推測し、DCDに対しては「施設には自動ではなく手動の消火システムが設置されていたのではないか」と語っています。

「2013年にOVHは、カナダのデータセンターに初めて防火システムを導入した。フランスのデータセンターはどうなのか?」と彼はZDNet.frで問いかけ、それを指摘しましたが、Klaba氏は、スタッフは火に安全に近づくことができず、施設を出て消防士を呼ばなければならなかったと説明しました。「このような姿勢は、早期発見システム、消火システム、防火設備がなかったことを裏付けるものだ」

グランモンターニュ氏は、顧客側に責任があり、支払った分の信頼性しか得られないとするOVHcloudの姿勢を批判しています。火災事故の直後、お客様の中には、自分のデータが守られていなかったことにショックを受けた方もいたようで、「自分が何を購入していたのか正確に理解していない顧客もいる」とクラバ氏は述べていました。

「OVHcloudはサービス一覧を提供しており、ホスティングサービスのレベルは顧客が購入したサービスオプションに依存する」とグランモンターニュ氏は言います。「OVHの低価格モデルは、挑戦的な基本価格と追加の課金オプションというセグメント化された提供方法に基づいている。顧客が「バックアップ」オプションを取得していない場合、炎上したデータは永久に失われる可能性があるが、ホスティングプロバイダーの責任は問われない…..ただし、その後の裁判所への訴えを除いて」

OVHcloudのバックアップオファー(提示)は、たとえ火災の前に契約されていたとしても、一部の顧客を助けることはできなかったかもしれないとグランモンターニュ氏は言います。OVH Private Cloudは、2020年4月にリモートバックアップサービスの提供を開始したばかりであり、顧客にこのオファーを受けるよう要求していると指摘しています。「この前後の日にちで、オファーを受けた顧客が、このサービスを採用するためのステップを踏んでいない場合は、バックアップはない。これは、SBG2のお客様の大半に当てはまるだろう。しかし、仮にそれを採用していたとしても、ほとんど効果はなかっただろう。なぜなら、クラバ氏もツイートで確認したように、SBG1のプライベートクラウドの無料および有料バックアップは、データセンターの別の部屋でホストされており、どちらも消失したからだ」

OVHcloudが言う、災害復旧計画はホスト側やクラウドサービスプロバイダー側の責任ではなく、顧客側の責任であるという点は正しいが、彼はこう問いかけます。「当該サプライヤーが専門家の慣行を尊重しない場合はどうなるのか?」

OVHcloudだけではないかもしれない

オクターブ・クラバ氏は復旧プロセスについて非常に透明性の高い対応をしていますが、OVHcloudはIPOで株式市場に上場するという目的を守りたいためか、火災そのものに関する質問については避けています。

グランモンターニュ氏は、OVHcloudの低コストの経済的なモデルが、このような災害のリスクを高めたのではないかと指摘しています、しかし、他のプロバイダーにも同様の事が起こりうる可能性があると彼は指摘しています。「同じリスクを抱えているのではないかと心配する顧客からの問い合わせを受けていないデータセンター事業者はいないだろう」

低コストを維持することがレジリエンス力に影響を与えている可能性があります。また、データセンターがあまりにも細かくコストカットをしている場合は、保険契約にも影響を与える可能性があるとグランモンターニュ氏は言います。「保険会社はどのように反応するでしょうか?保険料は大幅に値上がりするでしょうか?既に保険会社は、データセンターの新規プロジェクトを敬遠し始めています…」

また、この事件がフランスのデータセンター事業者や他のヨーロッパのプレーヤーに損害を与える可能性もあると警告しています。「結局のところ、OVHcloudのキャンパス火災の最も広範な影響は、フランスの巨大クラウド事業者に対する信頼の失墜と、フランスのクラウドおよびデータセンター関連企業への影響であることは間違いなく、このことがアメリカの巨大パブリッククラウドプロバイダーへの道筋を作ることになるかもしれない」

Data Center Dynamics

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