Yandexがロシア資産を売却 Nasdaqでの取引再開に期待

ロシアからの撤退で52億ドルを調達

Yandexは、ロシア資産の大半の売却が完了し、今後はAI投資とフィンランドのデータセンターに注力していきます。

同社は金曜日に、ロシアにおける保有資産の72%を、52億ドルで投資家コンソーシアムに売却したと発表しました。残りの28%の売却は、7月に行われる予定だと述べています。

かつてYandexは、クラウドホスティングやインターネット検索からライドヘイリングやフードデリバリーまで、提供するサービスの幅広さから「ロシアの Google」として知られていましたが、2022年にウクライナとの戦争が勃発して以来、ロシアからの撤退戦略を模索していました。

現在オランダを拠点とするYandexは2月、ロシアのYandexの経営陣が率いる、Argonaut、Infinity Management、IT Elaboration、Meridian-Servisの4つの投資ファンドが支援する新たな投資家で、Consortium Firstとの取引に合意したことを発表しました。

この取引の一環として、Yandexのロシアを拠点とする4人の取締役が辞任し、John Boynton会長が残り、Rogier Rijnja取締役とCharles Ryan取締役が加わりました。

Yandexは声明の中で、次のように述べています。「この取引の2回目のクロージングに向け、4つの国際的事業(Nebius AI、Toloka AI、Avride、TripleTen)のポートフォリオと、フィンランドにある最先端のデータセンターや、他のテクノロジー事業への少数投資や、その他の非ロシア資産を含め、保持されるグループの将来のため準備を続けています。今後数か月のうちに、新たな上級経営陣と、その事業戦略に関する最新情報を提供する予定です。」

取引の一環として、Yandexのロシア国外での事業には新しい名称が与えられ、 Yandexという名称は、Consortium Firstが保持します。

売却が完了すれば、Yandexは社名を変更した会社の株式が、Nasdaqで取引を再開できることを期待しています。戦争が勃発して以来、取引は停止されています。

同社は、「確約はできませんが、売却が完了すれば取引が再開されることを期待している」と述べています。

フィンランドの施設だけでなくYandexは、ロシアで5つのデータセンターを運営していました。このうち最も新しいものは、モスクワの南200マイルに位置するカルーガ州にある63MWのデータセンターで、昨年稼働する予定でした。他の4つのデータセンターは、ウラジーミル、サーソヴォ、イヴァンテエフカ、マイティシチにあります。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Caféが日本向けに抄訳したものです。

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