ニュージーランドの病院で冷却装置故障に伴う大規模IT障害

ニュージーランドのウェリントンとワイララパにある複数の病院で、オーバーヒートによる大規模なIT障害が発生しました。

Te Whatu Ora Health New Zealandは週末前の声明で、ウェリントン地域病院、ケネプルコミュニティ病院、ハット病院、ワイララパ病院で障害が発生しているとし、「この障害により、今朝(6月22日)外来の予約や 予定されていた治療や処置のために来院された方々においては、遅延や混乱が発生する可能性があります」と発表しました。

障害はニュージーランド標準時午前4時に発生し、その原因は内部の冷却システムが故障し、いくつかのサーバーがオーバーヒートを起こしたためであった模様です。 これらサーバー上のアプリケーションは自動的にリダイレクトされましたが、臨床システムやサポートシステムには若干の遅延が残りました。

今回の障害で、患者記録、臨床記録、検査結果、給与計算、スワイプ・アクセス・カード、リモート・ワークに使用されるシトリックス・アプリケーションへのアクセスなどのシステムに影響が及びました。 なお、この問題については現在は解消されています。

一部の患者については、この病院が夜間や週末に診療を行っている外来や癌治療の予約の変更を余儀なくされました。 手術の延期などはなかった模様です。

問題のデータセンターの名前は明らかにされていませんが、おそらくウェリントンを拠点とするコロケーション施設であると思われます。 Data Center Mapによると、ウェリントンにはDatacom Data Centre、Plan B、Netspace、Chorus、Xtreme Networks、Spark Digitalが運営する計6か所のコロケーション施設が存在します。

同様の障害は英国や米国でも発生しています。今年5月には、カンザスシティの病院が、Ascension Via Christiのウィチタ・データセンターでの障害発生後、手術や処置の一時停止を余儀なくされました。また、2022 年の猛暑では、ロンドンの2つの病院で障害が発生しました。このケースでは、停電は2つの別々の場所で発生し、そのどちらもオンプレミスのデータセンターでした。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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