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OVHcloud、ストラスブールのデータセンター火災でデータを失った顧客2社に対し、25万ユーロの支払いを命じられる

OVHcloudは、顧客データの保管場所について嘘の説明をし、返却前にサーバーを消去した

2021 年にストラスブールの SBG2 データセンターが全焼し、データを失った 2 社の顧客に対し、OVHcloud は 250,000 ユーロ (270,000 ドル) を支払うよう命じられました。

Bati CourtageとBluepadの2社は、OVHcloudに追加料金を支払い、データのバックアップを行っていましたが、データセンターが全焼した際に、バックアップが本番サーバーと同じデータセンターに保管されていたことが判明し、両方とも失われる事態となりました。先月、リール・メトロポール商業裁判所は、OVHcloudが保証したバックアップサービスを提供できなかったとして、2件の訴訟でそれぞれ10万ユーロと15万ユーロを支払うべきとの判決を下しました。

OVHcloud社は両判決に対して控訴しており、その他の訴訟についても係争中です。

火災対応

OVHcloudは、ライン川沿いのストラスブール・ビジネスパークに4か所のデータセンターを構えています。2021年3月10日午前、SBG2が全焼し、SBG1など敷地内の他の施設も被害を受けました。出火原因は電気系統の故障で、バッテリールームから出火し、それが建物全体に制御不能な形で広がったものとみられています。

OVHcloudは当初、報告書の早期公開と火災予防に関する研究への資金投入を公約していましたが、2021年夏以降、原因についての言及を拒んでいます。当初は、他の機関からの公式報告書の発表に続き、2022年に独自の調査結果を発表するとしていました。

その後、OVHcloudから何の連絡もないまま1年が経過し、Bhas-Rin消防署とフランスの事故調査機関BEA-RIから公式報告書が公開されました。

この報告書では、OVHcloudが防火設備を設けず、敷地内の電源を遮断しなかったこと、床が木造であったこと、フリークーリング設計により気流が発生し延焼したことなどが指摘されています。また、火災が発生する前に電気系統の近くで水が検出されたとも報告されています。

法律事務所Ziegler & Associatesが主導する集団訴訟には、現在130社以上の顧客が参加しており、OVHcloudは顧客のデータを大切にする責任を果たさず、被害を受けた企業に対して十分な補償を行っていないと主張しています。この訴訟は2022年中にOVHcloudに訴状を提出したものの、まだ裁判には至っておらず、裁判外で和解することも考えられます。

Bati CourtageとBluepadが起こした訴訟は、DCDが立証する限り、法廷で争った初めてのケースとなります。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事の一部をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。 (各裁判の詳細については原文で解説されています)

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