Internet ArchiveのデータセンターがPG&E社の停電によりダウン

デジタルライブラリーとして知られるInternet Archiveが、停電によりデータセンターが停止したことで、数時間にわたる障害が発生しました。

Internet Archiveは、米国カリフォルニアに拠点を置く非営利団体で、ウェブサイト、ソフトウェアアプリケーション、ゲーム、音楽、ビデオ、画像、数百万冊の書籍のバックアップデータを無料でネット上に公開しています。

「あぁ、Internet Archiveのデータセンター付近でPG&Eの大規模停電が発生している」と、創設者のBrewster Kahle氏はTwitterでコメントしました。「これって頻繁に起こっているんだよね…」

この2日間、強風に見舞われたベイエリアでは、18万件以上の電力利用者が停電に見舞われています。スタンフォード大学のキャンパスも影響を受け、同大学は期末試験を中止し、オフィスも閉鎖されました。

また、倒木により少なくとも2人が死亡し、3人が重軽傷を負いました。さらに、Amtrakの列車もこの強風で脱線しました。カリフォルニア州では先週も暴風が吹き荒れ、数千件もの停電が起きています。

人為的な気候変動の結果、暴風の頻度と強度は増加しています。今週発表された国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の最新報告書では、温暖化を1.5℃に抑えるために、人類はあらゆる分野で温室効果ガスの排出量を深く、速く、持続的に削減する必要があると警告しています。

“気候の時限爆弾 “は時を刻んでいます。しかし、本日のIPCC報告書は、気候の時限爆弾を解除するためのハウツーガイドです。これは、人類のためのサバイバルガイドです」António Guterres国連事務総長は月曜日、このように述べました。

気候変動はPG&Eの送電網にますます影響を及ぼしています。PG&Eは数十年にわたる過少投資に苦しんでおり、壊滅的な山火事を引き起こす原因ともなっています。

PG&Eは2020年、送電網が新たな火災を引き起こすリスクを軽減するため、数百万世帯の顧客の電力を先手を打って遮断しましたが、その年も火災が発生し、それはNERSCのスーパーコンピューターの障害を招きました。

今週の障害は、Internet Archiveが、図書館が自らの蔵書をスキャンする能力を問う出版社による画期的な著作権訴訟において、法廷でデジタルライブラリーを守ることを余儀なくされたことに起因しています。

「インターネットとワールド・ワイド・ウェブが本当に機能するようになった後でなければ、インターネット・アーカイブを始めることはできませんでした。もし、公教育やあらゆる知識への普遍的なアクセスという考え方が霞んでしまうような時代に突入したら、大変なことになります」

「本を禁止したり、法の支配を通さずに契約の支配を通して組織に圧力をかけることができるようになったりと、企業環境では現在そのような状況が見られますし、政府環境でも見られるようになってきています」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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