
AlibabaがAI推論チップを開発~Nvidia H20の輸出停滞が続くなか
中国製のチップをテスト中
Alibabaは、従来の自社製半導体よりも汎用性の高いAI推論チップを開発中です。
Wall Street Journalの報道によると、このチップは中国企業によって製造され、現在テスト段階にあるようです。
以前、Alibabaが開発したAIプロセッサはTSMCによって製造されましたが、米国政府が台湾企業による中国向け最先端チップの製造を禁止したため、状況が変化しました。
そのチップは「Hanguang 800」と呼ばれ、同じく推論用チップであり、2019年にアリババによって発表されました。「Hanguang 800」は、Alibabaの研究部門であるPintouge、別名T-Headによって開発されました。発表当時、この部門はAlibabaの社内利用やクラウド向けに、他にも複数のプロセッサを開発していると報じられていました。
中国の多くのIT系企業と同様に、Alibabaは長年Nvidiaの主要顧客であり、報道によればBaidu、ByteDance、Tencentとともに、2024年にはNvidia製GPUに総額40億ドルを投資する計画だったとされています。
しかし、米国政府が先端半導体の中国へのアクセスを制限する動きを強めるなか、地域の企業は国産ハードウェアに頼るか、中国市場向けに性能を抑えたプロセッサ(例:NvidiaのH100の簡易版であるH20)を使用せざるを得なくなっています。
2025年4月に米国政府がNvidiaのH20チップの中国向け輸出に追加制限を課したことで、状況はさらに厳しくなりました。トランプ政権がこの決定を後に撤回したものの、Nvidiaは最新の四半期報告で、2025年第2四半期には中国企業へのH20チップの販売がゼロだったことを明らかにし、第3四半期も出荷ゼロを見込んでいます。
なお、CNBCの報道によると、Alibabaは新チップを開発しているものの、今後もNvidiaや他のベンダーのチップを引き続き使用する予定のようです。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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