インテル、EU離脱の影響で英国に数十億ドル規模のチップ工場を建設しないと発表~欧州各国から70件のサイト提案

インテルはEU離脱の決定を受けて、英国に巨大な半導体工場を建設することは検討しないと述べました。同社CEOのパット・ゲルシンガー氏はBBCに対し、もしBrexitがなければ、英国で「絶対に検討用地を求めていた」と語りました。

「EU離脱後は」同社は 「EU諸国を検討し、EUからの支援を得ている 」としています。

インテルは以前、欧州のファブは10年間で950億ドルもの価値があると主張していましたが、それは政府の手厚いインセンティブの助けがあってのことでした。

ゲルシンガーは、「英国から優れた拠点が得られたかどうかはわかりません。しかし現在、欧州全域10カ国以上から70件ほどの提案を受けています。今年末までに、サイトに関する合意とEUからの支援を得られることを期待しています」とも述べています。

今年初めに自社のファウンドリー事業の立ち上げを発表して以来、インテルは新しい工場の立地を検討しており、世界的なチップ不足と国内生産の減少に対する欧米諸国の懸念を利用して、政府のインセンティブを引き出そうとしています。

このインテル・ファウンドリー・サービスは、Arm、RISC-V、さらにはx86チップをインテルや他社のために開発します。3月の発表でインテルはアリゾナ州の2つの新工場に200億ドルを投入すると発表しましたが、これも州の補助金が一部を占めています。

EUの政策立案者にとって身近な存在である自動車産業は、チップ不足の影響を最も大きく受けています。今月初めGMはチップ不足のために8つの工場を休止すると発表しましたが、これが過去12ヶ月間、この業界全体で起こっていることです。

オートショーでは、メルセデス、VW、BMWの経営陣が、少なくとも2023年までは供給問題が続く可能性があると警告しました。

供給問題は、今や英国の多くの人々にとって慣れきった問題となってしまいました。グローバルな製造業や海運業の問題は、Brexitによってさらに悪化し、大型トラック運転手や作物収穫者不足が燃料危機を招き、英国の農場では何百万もの野菜が腐敗するまま放置されています。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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