中国最大のチップメーカーSMIC、米国の制裁にもかかわらず売上高43%増、利益400%増を達成
米国はSMICを減速させることはできないものの、最新技術の入手を困難に
中国最大のチップメーカー 中芯国際集成電路製造有限公司 (Semiconductor Manufacturing International Corp: SMIC)は直近の四半期に莫大な収益を計上しました。売上高は43%以上増の13億4千万ドル、純利益は400%近く増の6億8,780万ドルとなりました。
通年の収益成長率予想を30%に引き上げたSMICは現在、米国政府の制裁下にあります。
2020年9月米国政府は多数のサプライヤーに対し、SMICに機器を販売する際には個別に輸出許可を求める義務があると伝えました。
その数ヵ月後には、同社をエンティティリスト(米製品輸出禁止対象企業一覧)に追加し、重要なチップ製造装置を含む米国製品やサービスの入手を更に困難にしました。米国製技術が25%以上含まれている機器を出荷すると制裁の対象となりますが、米国側はSMICが中国軍と関係していることが原因だと主張しています。
しかし、もしSMICが機能不全に陥るかHuaweiのように生き残りをかけた戦いになることを米国が望んでいるとすると、結果は期待外れでしょう。
むしろチップの需要が拡大する中で、Huaweiのような制裁を受けた企業が唯一のサプライヤーとしてSMICを利用するようになったことで、同社は成長を続けました。
それでもこの制裁によってSMICは本来の力を発揮することができなかったと、共同CEOジャオ・ハイジンは語っています。「このような影響がなければ、SMICは昨年の記録的な成長の勢いを維持できたはずです」
「我々は外部の圧力をコントロールできないが、危機や変化に直面しても新たな可能性や機会を開拓していく。」
同氏によると、同社は現在もサプライヤーや米国政府と増産のための機器購入のライセンス取得について話し合っているといいます。特に、14ナノメートルや28nm処理技術に対応した最先端装置が遅れており、現在も設備を手に入れてはいますが、スローになっています。
SMICは年内に12インチ工場で月産1万枚、8インチ工場で月産4万5千枚のウェハー生産能力増強を目指しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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