チップメーカーのGraphcoreが中国から撤退

イギリスのチップメーカーGraphcore 社が、アメリカの輸出規制により中国からの撤退を余儀なくされたと、Bloomberg が報じています。

Graphcore は、中国にいるスタッフの大半を解雇し、中国での販売を打ち切るとし、すでに苦境に立たされている同社に新たな追い打ちをかけることになりました。

「最近更新された米国の輸出規制は、他のAIハードウェア・メーカーと同様、Graphcoreが中国でIPUシステムを販売できなくなったことを意味します。遺憾ながら、中国での事業を大幅に縮小することになる」と同社は声明を発表しました。

GraphcoreのNigel Toon CEOは以前、規制によってNvidiaの中国での販売能力が制限されているため、中国が同社の成長市場になる可能性があると発言していました。Toon CEOによると、中国はGraphcoreの売上の20~25%を占めているとのことです。

Graphcore は英国企業であるにもかかわらず、米国の禁止措置の影響を受けており、この規制は他国で使用されている米国の製造・設計ツールにも及んでいます。

イギリス・ブリストルに本社を置く同社は、2023年10月のCompanies Houseへの提出書類の中で、同社は緊急に資金調達が必要な状況にあり、資金調達なしに事業を継続できるかどうかという「重大な不確実性」に直面していることを明らかにしました。その後1ヶ月間、そのような資金調達の動きは発表されていません。

Graphcoreは特にIPU(Intelligence Processing Unit)で知られ、NvidiaのGPUと競合する可能性があると言われてきました。チップ性能では競争力があるにもかかわらず、同社はNvidiaの成長には及ばず苦戦しています。

2023年7月、Graphcoreはウェールズのニューポートで、Graphcore IPUを使用したAIクラウドクラスターを立ち上げ、すでにオランダとルクセンブルクで同様のPoPを展開しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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