Graphcoreの損失が拡大、AIチップ企業が生き残りをかけて新たな資金調達を求める

Nvidiaに太刀打ちできない

英国のチップ設計会社Graphcoreは、直近のCompanies Houseへの提出書類の中で、新たな資金調達が緊急に必要であると明らかにしました。

AIに特化したこの半導体企業は、2024年5月までに新たな資金を調達できなければ、事業継続が可能かどうかの「重要な不確定事項」に直面するとしています。

Graphcore の2022年の財務諸表によると、税引前損失は11%増の2億460万ドルでした。また、収益は46%減の270万ドルでした。

同社はこれまで多くの従業員を解雇し、従業員数は21%減の494人となり、ノルウェー、日本、韓国での事業を閉鎖しました。

GraphcoreのIPU(インテリジェンス・プロセッシング・ユニット)は、NvidiaのGPUに対抗するものとして注目を集めてきましたが、現在の生成AIブームの中でさえ、この事業は牽引力を見出すのに苦労しています。

「IPUは当初からGPUのように見えないように設計されている」と、GraphcoreのCTOであるSimon Knowles氏は今年初めにDCDに対して語っていました。「私は、多くのスタートアップ企業が基本的にGPUの代替になろうとしていることに驚いている。世界はもう別のNvidiaは必要としていない。Nvidiaは非常に優秀だ」

しかし、GPUとの歴然とした差は、未知のハードウェアにモデルを変換するために時間を費やすことを開発者に思いとどまらせています。より多くの開発者を自社のプラットフォームに引き込むため、「ハードウェアの販売からAIクラウドの運営へとビジネスモデルを変更することにした」とKnowles氏は述べています。

しかし、自社のクラウド設備を立ち上げるには、より多くの資金を先行させる必要があります。

同時に、同社は、英国政府が計画している9億ポンド(約11億円)のエクサスケール・スーパーコンピューターの供給契約を獲得しようとしています。

政府は、スーパーコンピューターにはソブリン・ハードウェアを使用する予定であり、Graphcoreは英国で唯一の大規模AIチップ設計企業であると述べているが、まだこのプロジェクトに選出されていません。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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