データセンター/ サーバ室技術ガイドブック【特集】④
ただし、フロア条件によってはバラツキが大きく、設定を変更した際に温度範囲からの逸脱が起きることがあるので注意が必要です。
そのため、エアーフロー対策により、バラツキを抑える(分散(σ)を小さく)し、空調吹出し温度の設定変更を容易にしておく必要もあります。
サーバ室の省エネルギー化の進め方
サーバ室の省エネルギー化の進め方は以下のように、まず測定器(センサー)などにより、実際の温度を可視化し、更にはCFD解析により実測値とのギャップを分析し、現状を正確に把握します。
続いて、現状把握の結果をもとに、仮説を立案し、そして改善施策案を策定します。次に改善施策案に対して、CFD解析を行い、改善施策案が適切であるかのシミュレーションが望ましいです。
CFD解析の結果により、改善施策案が適切であると判断できたら、そこでようやく現場で実際の改善施策を実施します。最後に効果測定を行うことも重要です。
実測/CFDとのギャップ分析例
以下の図は、実測値とCFD解析結果とのギャップの例を表しています。CFDは施設・設備現況図面より実施しており、ギャップは、現況が正しく図面などに反映されていない、現行化がなされていないことが多数です。そこで、ギャップの原因となり得る設備、装置の現行化を行うことが重要です。
効果のシミュレーション
以下の図は、CFDシミュレーション上で、対策前の状態と、改善施策の対策を施した後の状態の変化を示しています。このようなシミュレーションをおこなうことにより、机上であらかじめ費用対効果を検証でき、適切な対策を打つことができるようになります。
(次回へ続く)
次回は、サーバ室技術ガイドブック コラボ企画の最終回コンテンツを掲載します。最後までお楽しみください。
2019年6月10日の JDCC総会に併せ、JDCC10周年記念出版
- 印刷書籍
- アマゾンPOD(プリントオンデマンド)
- 電子ブック
- JDCCサイトでPDFファイルを直販
【総監修】
JDCC運営委員長/GUTP 代表
東京大学大学院 教授 江崎 浩
【監修】
JDCC運営委員(サーバ室技術ガイドブックWG リーダ)
尾西 弘之
株式会社大谷技術士事務所 大谷 淳一
詳しくは、「データセンター サーバ室技術ガイドブック」をご覧ください。
JDCC/GUTP共同ワーキンググループ / サーバ室技術ガイドブックWG
補足解説記載:DC ASIA
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。