AWSが中国の法律を遵守するために中国内の資産を売却、クラウドサービスの提供は継続
生産手段を売る
Amazon Web Services(以下、AWS)は中国の物理インフラ資産の一部を国内パートナーの北京シンネット社に売却しましたが、同国でのクラウドサービスの提供は継続するとしています。クラウドサービスに関連するものを含めて、重要なインフラ資産を外国企業が所有することを規制する国家安全保障法を遵守するために、30,120万米ドルの売買取引が行われました。
法律を遵守
AWSが中国から完全に撤退するとの報道があった後、Amazonはメディアに次のように明らかにしました。「いいえ、AWSは中国でのビジネスを売却した訳ではありません。中国の顧客が業界をリードするAWSのクラウドサービスを引き続き受けられるよう全力を尽くしています。中国の法律は、外国企業がクラウドサービスを提供するために特定の技術を所有または運用することを禁止しています。その結果、中国の法律を遵守するために、AWSは、長年の中国のパートナーであり、AWS中国(北京)地域の指定代理店でもあるシンネット社に特定の物理的インフラ資産を売却しましたが、世界全体を対象としたAWS Servicesの知的財産については引き続き所有します。中国での重要なビジネスと今後数年間における成長の可能性を考えると非常に興奮します。」
北京シンネット社はウォールストリートジャーナルに対し、今回のインフラ資産獲得は、「中国の法律を遵守し、AWSが運営するAWSクラウドコンピューティングサービスのセキュリティとサービス品質をさらに向上させる試み」だったと語りました。AWSは、2013年に中国で最初のデータセンターを開始して以来、シンネットとチャイナネットセンターの資産を頼りにしていました。
中国は、長い間、重要インフラ資産の外国所有を規制してきましたが、今年、サイバーセキュリティー法をさらに強化しました。2015年8月には40以上の国際企業グループが李克強首相に嘆願しました。12月には、マイクロソフト、インテル、IBMなどの企業は、独自ソースコードを引き渡すことを強制する変更に対して請願書を提出しています。中国の国会議員によると、1,000ギガバイトを超えるデータを中国外に転送する企業は、セキュリティレビューを毎年受けなければならないとしていますが、これはあまりにも漠然としていて、専有データに対する脅威であると批判されています。
このような法的措置により、欧米のクラウド事業者は中国の提携企業を見つけることを余儀なくされました。例えば、Microsoft AzureとIBMクラウドは、中国の21Vianetグループと提携しました。アップルは、他の地域と同じように自社の施設を建設し運営したかったのですが、中国にデータセンターを建設するに当たっては貴州クラウドビッグデータ社に頼らざるをえませんでした。
– Data Center Dynamics
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