IonQが2023年までにラックマウント量子コンピュータの販売を計画
量子コンピューティングのスタートアップIonQは、2023年にデータセンター向けのモジュラー型ラックマウント量子コンピュータの販売を計画しています。
わずか数か月前に独自のデータセンターを立ち上げた同社は、GoogleやIBMなどが採用している過冷却超伝導システムよりも少ない冷却要件で動作するトラップ型イオン量子システムを開発しています。
量子コロケーションが実現する
「2023年までには、IonQはデータセンター内でネットワーク化するのに十分小型なモジュラー型量子コンピュータを展開し、2025年までに幅広い量子アドバンテージの達成を目指している」と、CEOのPeter Chapman氏はブログ投稿でこのように述べています。
「チップ自体は現在、およそ50セント硬貨サイズと小さくなっている、そこで我々の目標は、これをラックマウントシステムにすること」とChapman氏はDCDに話していました。
同社は現在、3つの異なる世代の量子コンピュータに取り組んでいます。「なぜなら我々は宇宙開発競争に参加しているから」とChapman氏。
「物事を順番にやりたくない。それぞれのシステムは、さまざまな側面で進歩を遂げようとするという点で以前とは異なる。したがって、すべてを1つのシステムにまとめるには、不確定要素が多すぎる。最終的に方程式を解くにはあまりにも多くの不確定要素をデバッグする必要がある。そのため、各々で次世代量子コンピュータのさまざまな側面を試している」
現在、いくつかの企業は、それぞれが大きく異なる量子コンピュータの開発を進めており、その異なるプロトタイプシステム間の性能比較は激しい議論の的になっています。
「今はかつての80年代のようなものだと思っている。当時は、RISCとCISCが対抗し、あらゆる企業は、製造プロセスの優位性やトランジスタ数の多さなど、優位性に関するプレゼンテーションを行っていた。そして誰も一体どれが正しいアーキテクチャなのかを判断する術も知らなかった」と語った。「だから私はこのような多くの雑音を無視するようにしている」
現在、IonQは独自のベンチマークツールAlgorithmic Qubit Calculatorをリリースしています。これは、一般的な量子プログラムに展開できる有効な完全キュービットの最大数を定義します。
同社は、これをIBMが推進するQuantum Volume測定に取って代わることを望んでいます。
「これはQuantum Volumeと似たアイデアだが、エラー訂正を考慮に入れており、キュービット数と明確かつ直接的な関係がある」とChapman氏は述べています。
「IonQのロードマップはAQメトリックに基づいている。今後数年間、IonQは、システムAQ(つまり、使用可能なキュービット)を継続的に向上させるために、量子論理ゲート操作の品質向上に注力していく。次に、IonQは低いオーバーヘッドの量子エラー訂正や物理キュービット数のスケーリングを実装し、システムAQを更に大幅に向上させていく」
Data Center Dynamics
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