東京大学と IBM、日本初のゲート型商用量子コンピューターを始動

国立大学法人東京大学とIBMは、日本初のゲート型商用量子コンピューティング・システム「IBM Quantum System One(QSO)」の「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター(KBIC)」における稼働開始を発表しました。


同社はこのシステムを「日本で最も強力な量子コンピューター」と説明しているが、システムが持つ量子ビット数についての詳細については述べてはいません。

今回のプレスリリースには詳細は記載されていませんが、IBMはこれまで、QSOは日本のIBM施設に設置され、同社が所有・運営すると話していました。

IBM シニア・バイス・プレジデント、IBM Researchディレクターのダリオ・ギル博士は次のように述べています。「IBM は、グローバルな量子エコシステムの成長と、さまざまな研究のコミュニティー間によるコラボレーションの促進に取り組んでいます。共に私たちは、さまざまな分野で科学の進歩を加速するための大きな一歩を踏み出すことができるのです」

IBMと東京大学は2019年に「量子パートナーシップ」を結び、「量子イノベーション・イニシアチブ・コンソーシアム」を発表しました。日立製作所、慶應義塾大学、ソニー、三井住友信託銀行、東芝、トヨタ自動車などが参加するこのコンソーシアムは、日本における量子コンピューティングの研究開発活動を加速することを目的としています。

東京大学総長の藤井輝夫氏は次のように述べています。「変化の早い量子技術分野において、世界に伍して高度な社会実装を実現するためには、量子技術
に関する要素やシステムの開発だけでなく、次世代人材の育成が極めて重要です。本学は研究人材の裾野も広く、すでに学部学生からハイレベルな量子教育を進めていますが、この「System One」を活用して次世代の量子ネイティブの育成をより一層進めて参りたいと考えております」

同社は3月、米国で民間初のオンプレミス型量子コンピューターをクリーブランド・クリニック医療センターに設置すると発表しました。6月には欧州で初の量子コンピューターをドイツ・シュトゥットガルト郊外のフラウンホーファー研究機構に納入しました。

2019年に初めて発表された「System One」は、必要とされる超低温を封じ込めるために厚さ0.5インチのホウケイ酸ガラスで作られた9フィートの密閉キューブに収められています。IBMによると、同社最大の量子コンピューターは現在65量子ビットを搭載可能で、2021年中には127量子ビットのIBM Quantum Eagleプロセッサーを発表する予定だと話しています。更に2023年には、初の1,000量子ビットを超えるシステムを発表したいと考えています。

IBMは、オンプレミスシステムを導入する前に、クラウドベースのウェブポータルを通じて、企業が20以上の量子システムにアクセスできるようにしていました。同社によると、現在150の組織がクラウド経由で同社の量子システムにアクセスしているといいます。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。 東京大学のプレスリリースはこちら

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