テキサス・インスツルメンツ、9億ドルでマイクロンの3D XPointファブを買収へ

マイクロンは、米国ユタ州リーハイにある工場をテキサス・インスツルメンツに現金9億ドルで売却します。

同社は売上低迷の為、3D XPointメモリの生産を中止し、3月に同工場を売りに出していました。

同社はまた、専門ツールやその他不特定多数の資産も合わせて売却し、さらに6億ドルを調達したいと考えています。売れ残った装置はマイクロンの他の拠点に送られます。

この施設は、2015年にマイクロンとインテルの合弁事業の一環として立ち上げられたもので、両社はNANDの1,000倍の速度を謳うメモリ技術「3D XPoint」の開拓計画を発表していました。

インテルは、この技術に基づきOptane SSDとパーシステント・メモリーDIMMの製品ラインアップを開発しました。これはデータセンター市場では一定の評価を得ましたが、コンシューマー分野では完全に失敗し、今年1月に生産を中止しました。残っていたデータセンターの注文は、工場を完全に稼働させるには十分ではありませんでした。

インテルは2018年にパートナーシップを離脱し、翌年マイクロンが工場の株式を買い取りました。

しかし、2016年に3D XPoint製品のQuantXブランドを発表していたマイクロンは、そのラインアップで何かを出荷することはありませんでした。同社はハイエンドのエンタープライズSSD「X100」をリリースしましたが、販売数は僅かでした。

そのため、マイクロンはその200万平方フィート(18万5,000平方メートル)の工場を残していましたが、インテルとの小規模な契約以外に使うことはなく、今年だけで4億ドルものコストがかかるなど、ただお金を垂れ流していました。そして現在、テキサス・インスツルメンツは、300mmアナログ・ロジック製品の開発を行う目的で、この工場の買収を進めています。

この売却は年内に完了する予定で、テキサス・インスツルメンツは現在この施設で働いている人々に雇用を提供する予定です。

なお、インテルが今も販売している3D XPointメモリー製品を今後同社がどのように製造していくのかについては不明です。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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