タイのガルフエナジー、InTouch社の株式42.2%を取得し通信事業に参入
タイ最大の民間電力会社であるガルフエナジー・デベロップメント(Gulf Energy Development)社が、同国の通信事業分野に参入しました。
同社は水曜日に終了した公開買付けで、タイ最大の移動通信会社の大株主であるInTouch社の全発行済み株式の23.3%にあたる747百万株を確保しました。
この取引が8月11日に完了すると、ガルフエナジー社はInTouch社の株式を従来の18.9%から42.2%に拡大します。InTouchはタイの通信業界で大きな存在感を示しており、大手移動通信会社アドバンスト・インフォ・サービス(AIS)の40%、また衛星通信事業者であるタイコムの株式の41%を保有しています。
シンガポールのSingtelは、InTouchの21%の株式を保有しています。
ガルフエナジーはタイの億万長者サラス・ラタナヴァンディ が所有しており、電力から高速道路、ラヨーン県のLNGターミナルまで幅広い事業を展開しています。
フォーブス誌によるとラタナヴァンディ は7月時点で88億ドルの資産を所有しており、タイで5番目に裕福な人物とされています。
4月にはInTouch社の株式購入資金として、国内外の金融機関から1,500億バーツの短期ブリッジローンを申請する準備ができていると報じていました。 もともとInTouch社 はタクシン・チナワット元首相がShin Corp.として設立したものです。同通信事業持株会社は2006年にシンガポールの政府系ファンドであるテマセク・ホールディングスに売却されました。ガルフエナジー社はInTouch社の買収によりAISへの出資比率が25%を超えることが予想されたため、タイの規制により、AISへの買収提案も行う必要がありました。
タイのクラウド データセンター 市場は、ASEAN第2位の経済大国として大きなデジタルの可能性を秘めており、大きな発展を遂げようとしています。
タイ政府は2021年にデジタルインフラとICT能力を全国的に拡大することを約束しており、近隣諸国のシンガポール、マレーシア、香港に対抗できるデジタルハブとしての地位を確立したいと考えています。
人口増加に伴い、ブロードバンドの品質やエネルギーの持続性がますます課題となっています。地理的に戦略的な位置にあるタイは、すでに東南アジアで事業を展開している多くのハイテク企業の関心を集めています。彼らは、タイのクラウドやデータセンター産業への投資が、今後数年間で有利なROIをもたらすと期待しています。
タイの通信事業者 トゥルー・コーポレーション は5Gネットワークを成長の柱の一つと位置づけており、今後3~5年の間に400~600億バーツ(約1兆2,000~1兆9,000億円)を投じる予定です。
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