アフガニスタン、タリバン占拠後通信サイトは完全復旧したと主張
しかし、その主張はタリバンの代弁者によるもの
アフガニスタン電気通信規制局(ATRA)は、アフガニスタンの電気通信サービスが政府崩壊前の水準に戻ったと主張しています。
8月にはタリバン軍がアフガニスタンを制圧し、一部の制圧軍はクーデターの一環として携帯電話基地局や重要インフラを焼き払いました。現在、ATRAは、被害はすべて元に戻ったと主張していますが、同グループは現在、タリバンに支配されている状況です。
尚、この主張は検証されていません。
ATRAは、タリバンの前の米国の支援を受けていた政権が崩壊する前から物議を醸していた機関でした。ATRAには汚職の疑いがあり、経営難に陥っている通信事業者に多額の税金を課していると批判され、更に約束通りに機器を設置しないといった報告も増えていました。
他の機関とは異なり、ATRAは大統領府の長官にしか責任を負いませんでした。しかし、当時のアシュラフ・ガーニ大統領は、7年間の在任期間中にATRAの権限と任務を強化し、電気通信省の責務の一部をATRAに与えました。これにより、汚職が横行し、資金の吸い上げが行われたと批判されています。
前政権が倒れる前に、この当局に対して国会で調査が行われていました。国会は現在、事実上解散しており、ほとんどの政府関係者は国外に逃亡しています。
この夏、アフガニスタンの通信業界がどれほどの被害を受けたかは定かではありません。国内では小規模な戦闘が絶えませんでしたが、タリバンの大攻勢が5月に始まり、8月15日に勝利して終了しました。
6月にATRAは、昨年1年間に国内で破壊された通信用アンテナは301本(100万ドル相当)で、そのうち28本は先月に破壊されたと発表していました。
タリバンの電気通信大臣は、就任1ヶ月後にATRAの責任者を解任し、自らが責任者となりました。しかしそのナジブッラー・ハッカーニは、電気通信分野の経歴を持っていないようです。
「アフガニスタンでインターネットが脅威にさらされている 」と、ATRAの元会長モハマド・ナジーブ・アジジは今年初めにPoliticoに対し語っていました。「タリバンはインターネットを自分たちの都合のいいように使いたがっている。しかし同時に、将来的には政敵の情報発信を許さないことを優先するだろう」
国営のアフガン・テレコムのほか、MTNグループ、Etisalat、Roshanが同国でのネットワークを運営しています。8月にMTNはアフガニスタンでの事業の再評価を行うと発表しました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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