欧州の電力購入契約(PPA)価格は昨年比で約50%上昇

欧州では、電力購入契約(PPA)価格が昨年比で大幅に上昇しているようです。

再生可能エネルギー購入プラットフォーム企業LevelTen Energy社の最新レポートによると、2022年第2四半期の欧州における太陽光・風力PPA価格は16%上昇し、1Mwhあたり66,07ユーロになりました。これは前年同期比で見ると、47%の価格上昇となります。

同社は以前、サプライチェーン、相互接続、規制などの課題が重なり、さらにインフレとウクライナで続く戦争がコスト上昇の原因になっていると述べていました。

LevelTen Energyの欧州担当副社長であるFlemming Sørensen氏は、「簡単に言えば、1年前からPPA価格が上昇しているのは、需要に供給が追いついていないからだ」と述べています。「この需給バランスの崩れは、解決に数カ月から数年かかるため、明確な終息時期は見えていない。デベロッパは、厳しい許認可や相互接続の課題、投入資材や労働力のコスト上昇により、切実に必要とされている太陽光発電や風力発電の新規プロジェクトの建設に苦戦し続けている。さらに、企業向けPPA以外の既存プロジェクトのマーケティングや資金調達の選択肢が増えたため、利用可能な供給量も制限されてきている」

米国では、第2四半期のPPA価格は5%強の上昇で、1MWhあたり41.92ドルとなりましたが、前年同期比では30%近くの上昇となっています。

「PPAの需要が供給を上回るスピードで伸び続けているため、価格がいつ安定・低下するかは不透明。再生可能エネルギーのデベロッパが直面している障害が取り除かれるまで、供給が追いつくことはなく、それには数ヶ月から数年かかる可能性がある。ソーラー関税の可能性や現在のインフレは、新規プロジェクトの建設やPPAの市場投入をより難しく、より高額にする新たな障害となっている」LevelTen Energyの開発者サービス担当シニアディレクターGia Clark氏はこのように述べています。

しかしこのような価格上昇にもかかわらず、PPAは魅力的な提案であり続けるはずだと同社は述べています。

グリーンウォッシュは、再生可能エネルギーの目標達成を重視する多くのオフテイカー(購入者)にとって大きな懸念材料となっている。しかしPPAは、再生可能エネルギーの発電容量を増加させるため、環境に対して最も大きな利益をもたらすものである。PPAを締結する企業やその他のオフテイカーは、強力なインパクトストーリーを語ることができる」Sørensen氏はこのように述べています。

アマゾン、マイクロソフト、グーグル、メタなどの企業は、再生可能エネルギーによるデータセンターの稼働を要求していることで、大規模なPPA購入者となっています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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