研究結果:ユーザーはデータセンター選定時に何を重視しているのか
1200人への調査結果 by Supermicro
アメリカのサーバーメーカーSupermicroの研究によれば、企業向けデータセンターを利用しているユーザー達は、もっと環境への影響を低減するための努力ができるようです。
彼らが発行した最初の年次報告書” “Data Centers and the Environment”によれば、多くの企業は、エネルギー効率性の重要性を過小評価していると述べられています。
ユーザーのうち、データセンターを選択する際に、エネルギー効率/環境問題を実際に考慮しているのは28%に過ぎず、データセンターの設計戦略をたてるにあたって、エネルギー効率性を最重要事項に据えるのユーザーは全体の9%のみという結果が出たといいます。
代わりに優先されるのは、「安全性・性能・接続性」ということが判明しています。
また、アンケートからは、回答した1200人のうち、12%が、使用済みのハードウェアなどの廃棄物のリサイクルポリシーを整備していないようです。場合によっては、使用済みのハードウェアを最終的に一般廃棄物とともに処分する事業者がいることも分かっています。研究者らは、アメリカの有毒廃棄物のうち、70%が電子廃棄物だと主張しています。
Supermicroは、データセンターの選定や管理を担当する専門職の361人を含む、1200以上の人々を対象に調査を行いました。
データセンターでは、効率的なハードウェアを使うことで、TCOやOPEXが低減させ、その使用期間における省エネルギーを実現するという事実があるにも関わらず、調査結果によれば大多数のユーザーは、データセンター戦略の策定する際に、「機器の電力消費」を優先していないといいます。
回答した企業の大半は、データセンター技術を実装する際に、「環境問題を考慮しない」と回答しました。その理由として、コストが高い(29%)、リソースや理解の欠如(27%)、環境問題が自社の優先事項でない(14%)などが挙げられました。
また、半数以上は依然として、自社データセンターの PUE 値(電力使用効率)を計測していないことが明らかになりました。データセンター業界で最も単純な効率指標を無視しているようです。
ちなみに、回答から得られた平均的なPUEは1.89で、そのうち22%は2.0以上のPUE値を報告しています。また、平均的なデータセンター周囲温度は24.6℃でした。
技術更新、リプレイスなどは、データセンターの効率性を向上させるもう一つの方法です。最新システムを使用すれば、1ワットあたりの計算性能は高まります。
Supermicroによれば、平均して47%のデータセンターでは、1〜3年ごとにシステムを更新しており、28%では4〜5年ごとに更新していると言います。中小企業と比較した際、10億ドル以上の企業価値を持つ企業の技術更新数は倍増します。
今回の報告書は、データセンター管理者が環境への影響に関する業界規準を理解するための端緒をつかませ、定量的に比較できるようにし、最終的には同業界の環境への影響を低減させるのを助長するようにデザインされています。
Supermicroの社長兼CEOであるCharles Liang氏は、
「ハードウェアソリューション企業として、我が社は省資源サーバーやアクセラレータ、そしてストレージ・ソリューションに重点的に投資しています。例えば、10年間のライフサイクルのシャーシや、電源、ファンやその他のサブシステムの開発などです。
それらは、エンドユーザーがITの無駄を削減しながら、日々エネルギーコストもハードウェア獲得コストの両方を節約するのを支援します」
「省資源は、TCE(環境への総コスト)によって計測することができます。ユーザーは、データセンター投資においてTCEを意識することで、優れたTCOを実現し、同時にこれらのデータセンターの環境への影響を最小化するかどうかを測ることができるのです」
と語りました。
– Data Center Dynamics
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